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グラフィックプロセッサの利用

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グラフィックプロセッサの利用

パソコンを購入する際、どういったグラフィックプロセッサ(GPU)を搭載したグラフィックカードを選ぶかということを、重要なポイントにしている方もいらっしゃると思います。 パソコンでグラフィック性能を要求するのは、ゲーム用途が多いと思います。 そういった用途に利用しない方は、いわゆる内蔵型グラフィックという、CPUやチップセットに組み込まれたものでも、今では十分な性能を持っています。 これらのグラフィックプロセッサは、今、ゲームという枠を超えて、様々な分野で利用されるようになってきています。 グラフィックプロセッサとは Core iシリーズなど、一般にCPUといわれるプロセッサと、グラフィック用のプロセッサは、かなり作りとして違うものになります。 CPUはコンピュータのほぼすべての処理を実行する役割を与えられており、グラフィックプロセッサは画面表示周りの処理を担当するという分担がありました。 CPUはユーザーの操作による、様々な要求に汎用的に応えるように設計されています。コンピュータを操作するうえで、様々なプログラムの切り替えを行うのにも、柔軟な対応ができるように作られています。 いっぽうグラフィックプロセッサは、グラフィックの操作や、3Dの計算など、まとまった処理を高速でこなすことが得意分野です。CPUのように様々な要求に逐次答えるのにはあまり向いていません。 グラフィックプロセッサの汎用利用 グラフィックプロセッサの性能向上はCPUの性能向上と同じように、年々進化しています。 より多くのデータを、高速で処理することができるようになり、これをグラフィック以外の部分にも応用することが頻繁に行われるようになってきました。 DVDやブルーレイの再生支援、あるいはビデオ圧縮、再生への応用が一般の利用者でも、広く使われている分野でしょう。 GPUアクセラレーション対応、と書かれている場合、処理の一部、あるいはかなりの部分をグラフィックプロセッサに分担させているアプリケーションです。 映像の再生や、圧縮は、一続きのデータを連続的に処理するものですから、CPUはグラフィックプロセッサにデータを渡して計算させることにより、負担を軽減して、ユーザの他の操作に対応できるようになります。 Photoshopなどの画像編集アプリケーションでも、積極的にグラフィックプロセッサによる計算を利用しています。画像に対してフィルタをかけるような用途も、一つの大きな画像データに同じ処理を行うものです。 これらグラフィックプロセッサの力を借りることによって、CPUが直接処理を行うよりも、より高速に処理を終えることができるぐらいに、グラフィックプロセッサの力は向上しています。 プログラム中にグラフィックプロセッサを利用する枠組みとして、OpenCLやCUDAといった開発環境が整いつつあり、様々なアプリケーションに今後グラフィックプロセッサの力を取り入れることができるようになります。 今後のグラフィックプロセッサ 現在の一般向けプロセッサのトレンドとして、CPUのチップ内にグラフィックプロセッサを一つのパッケージにしたものが、増えつつあります。 Intelの第2世代Core iシリーズ以降はグラフィックプロセッサをCPU内に内蔵しています。 一つは部品点数を減らして省コスト化するための方法でもあり、もう一つはより積極的にCPUとグラフィックプロセッサを連携させていくという将来的な意図を含んでいると考えます。 タブレットやスマートフォンではAppleのA5シリーズや、nVidiaのTegraなど、複数のCPUコアと、グラフィックコアを統合されたチップを利用するのが標準的です。 これらのモバイル用途では省電力性が重要になりますが、グラフィックプロセッサとしては最新の技術を投入できるので、コンパクトさからは想像できないような表現力を持ちつつあります。 これからどんどんグラフィックプロセッサが有利な処理をグラフィックプロセッサに分担させることが一般的になれば、ユーザーとしてはよりよいパフォーマンスを手に入れることができるようになります。 スーパーコンピュータと呼ばれる分野でも、グラフィックプロセッサを並列につなげることで安価に作ることができるようになっており、グラフィックプロセッサはグラフィック用途という枠を超えて、コンピュータの性能を向上させるカギになっています。

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LTEってなんですか

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LTEってなんですか

最近スマートフォンなどでLTE対応という言葉がよく聞かれるようになりました。 このLTE、スピードが高速になるということは、大まかに伝わりますが、いままでの携帯の通信網とどう違うのでしょうか。 LTEとは Long Term Evolution(長期的な革新)の略で国際的な標準化プロジェクト3GPPにより第4世代移動体通信システム(4G)として標準化されました。 現在までのW-CDMA(docomo,Softbank)、CDMA2000(au)が3Gといわれる、第3世代の規格です。 これらの3Gと4Gには互換性はなく、現在LTEエリアではLTE通信、3Gエリアでは3Gの通信が使えているのは、それぞれの規格に対応した端末を使っているからということになります。 docomoのXi(クロッシィ)はLTEのdocomoの商品名です。W-CDMAによる3GをFOMAと呼んでいたのと同じです。 LTEのスピード LTEは規格の最高速度であれば、家庭用ブロードバンド回線と同じぐらいの速度が出るように設計されています。 しかし現在ある端末で、規格の最大スピードを得ることが難しいのはいくつかの理由があります。 LTEという規格に準じていても、使用する無線の周波数帯はいくつもあります。それは携帯キャリアや地域によって違い、携帯端末によっても使用できる周波数帯はそれぞれ違います。 使用する周波数帯によっては、LTEの最大速度分の割り当てがされていないこともあります。 LTE基地局は2012年現在、3Gよりもかなり少ないため、LTEの高速性の恩恵を受けられる地域は、まだまだ限られています。また一つの基地局に収容される端末の数が多いほど、通信の混雑が起こりやすくなります。 携帯端末にLTEの表示があるからといって、ところにより通信速度があまり出ないというのは、これらの原因があります。 LTEの繋がりやすさ LTEは先行していたWiMAXよりも室内での使用に強いという利点があります。 現在LTEに割り当てられている周波数帯はdocomoで800MHz、1.5GHz、auでは800MHz、1.5GHz、2.1GHz、Softbankでは1.5GHzとなっています。 ここにプラチナバンドと呼ばれている、700MHz、900MHzなどのサービスが各社とも加わる予定となっています。 それぞれのキャリアも複数の周波数帯で同じ規模の基地局数を持っているわけではありません。 周波数が低いほど、一般的には障害物に強くなり、室内などへの到達性は向上しますが、キャリアが基地局の配置を工夫することで、それらの弱点も、あまり目立たなくなってきています。 今のところ、都市部でもすべてLTEの範囲内となっているわけではありませんが、今後徐々に基地局が増えていく中で、様々な場所でLTEで接続できるようになるでしょう。 LTEのこれから LTEの名称にもなっているLongTerm(長期的な)という言葉には、次世代のLTE規格に制定までの間に、長期的な視点で発展していくといった意味合いが込められています。 LTEはまだ始まったばかりで、これから徐々に3Gを置き換えていくことになります。当面は3Gと帯域を分け合うこともあり、十分な速度が出ない、また通信上限が設けられている、という状況が続くと考えられます。 ユーザーも長期的な発展を期待しつつ、LTEの繋がりやすさ、スピードを享受できる日を待つのが良さそうです。

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iMac Late 2012 (Fusion Drive) ベンチマーク

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iMac Late 2012 (Fusion Drive) ベンチマーク

iMac Late 2012モデルのベンチマークテストで処理速度などを計測してみました。 GeekBenchの結果 使用するのはGeekBenchというアプリです。 比較対象はiMac Mid 2011モデル。一世代前のiMacです。 iMac 2012のCPUはCore i5 3470S 2.90GHz 4Cores。メモリは1600MHzDDR3の16GBメモリです。 比較対象のiMac 2011のCPUはCore i5 2500S 2.7GHz 4Cores。メモリは1333MHzDDR3 12GBメモリです。 CPU的には一世代、第2世代Core i5と第3世代Core i5での比較となります。 Late2012 Mid2011 Geekbench Score 10285 8842 Integer 8861 7715 Floating Point 14025 11716 Memory 7203 6314 Stream 8347 7785 トータルのスコアでかなり差がつきます。 個別にみていくと浮動小数点(Floating Point)の計算能力が大幅に向上しているようです。3割近い向上です。 これがトータルスコアに大きな向上をもたらしているようです。 その他は順当な伸びといったところでしょうか。 筆者が普段自宅で使っている2009年モデルのMacBook Pro13インチ(Core2Duoモデル)ではトータルスコアが3314です。 モバイルでもあり、あまり参考にならない数値ですが、3年違うとここまで差が出るのかと思い知らされます HDDのベンチマーク Blackmagic Disk Speed Testを実行した結果です。 Fusionドライブとはいえ、ちょっとスピードが出過ぎているようで、正確な読み書きテストができているのか定かではありませんが、参考までにスクリーンショットを掲載しておきます。 ちょっとベンチマークソフトとしては古いXBenchのディスクテストの結果が以下です。 やはりSSDらしいスピードが出ています。今後SSDの容量を一通り使い切った後で、どのように変化するのか、興味のあるところです。 Results 446.67 System Info Xbench Version 1.3 System Version 10.8.2 (12C2034) Physical RAM 16384 MB Model iMac13,1 Drive Type Macintosh HD Disk Test 446.67 Sequential 289.81 Uncached Write[4K blocks] 598.93 367.73 MB/sec Uncached Write [256K blocks] 499.02 282.34 MB/sec Uncached Read [4K blocks] 117.96 34.52 MB/sec Uncached Read [256K blocks] 605.54 304.34 MB/sec Random 973.71 Uncached Write [4K blocks] 762.98 80.77 MB/sec Uncached Write [256K blocks] 756.89 242.31 MB/sec Uncached Read [4K blocks] 2165.83 15.35 MB/sec Uncached Read [256K blocks] 985.79 182.92 MB/sec ベンチマークテストについて ベンチマークテストはその実行時のコンディションなどにもより、必ずしも正しい数値というわけではありません。 一応の目安といったところで、この数値が倍違うからといって、体感速度が倍向上するということではありません。 しかしながらFusionDriveの効果もあり、かなり体感的に速度の向上は感じられるところです。 起動時に撮影した動画を最後に添付します。

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iMac Late2012 到着

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iMac Late2012 到着

iMac Late 2012モデル、日曜日に到着しました この台形の外箱が珍しいですね。 ディスプレイを真横から、すごく薄いです。 設置してみました。 背面コネクタ、イーサネット、Thundebolt x 2、USB3.0 x 3、SDカード、ヘッドフォンジャックとなっております。 Fusion Drive搭載で、#diskutil list をしてみた結果がこれです。 128GB SSDと1TB HDDがCore Storegeで一つのボリュームに構成されてる様子ですね。 また詳しい使用感などは今後ブログに投稿したいと思っております。

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ハードディスクとSSD

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ハードディスクとSSD

ハードディスクの利点と弱点 ハードディスクの最大の利点といえば、その実績です。 ハードディスクは壊れやすい、あるいはすぐに壊れる、という印象を持たれている方もいらっしゃると思いますが、家庭用のPCから業務機器の中など、さまざまな分野で利用されている、信頼性の高いメディアであるといえます。 内部構造が複雑であり、モーターでプラッタと呼ばれる円盤を高速回転させる仕組みであることから、物理的な障害はいつかは起こります。軸受けの摩耗や、読み取りヘッドが円盤面に接触するクラッシュなどが主な故障の原因です。 障害を減らすためには、できるだけハードディスクを高温下で使わないということが重要です。ハードディスクは構造上熱を持ちやすいので、排熱をしっかりしておかないと、自分自身の熱で寿命を低下させることになりがちです。 このような劣化は必ず起こることなので、バックアップやRAIDなどを利用して障害に備えることで、データを保護する必要があります。 価格あたりの容量単価が高いことは大きな利点です。ハードディスクは記録・読み出し方式が更新され、記録容量が年々進化しており、より高密度の情報を一枚のプラッタに記録することができるようになっています。 SSDの利点と弱点 SSD(ソリッドステートドライブ)の最大の利点は、その読み書き速度です。 連続読み出し速度は高速なものであれば400MB/秒以上にもおよび、ハードディスクの3倍以上の高速性をもちます。 ハードディスクはプラッタの回転速度と、ヘッドの移動速度など、物理的な可動部の制約に縛られていますが、SSDはフラッシュメモリへの電気的なアクセスになりますので、そのような制約を受けません。 システムの起動や、アプリケーションの起動などは確実に実感できるぐらいに高速化します。 最大の弱点とされる点は、書き換え可能回数に上限があることです。 このことについて、実際に検証されているサイトもあり、参考になります。一般的な用途であれば、書き込み上限に達するにはかなりの時間がかかるようですが、製品ごとに性質が違うので、必ずしも十分な寿命を持っていない可能性もあります。 この制約があるので、頻繁に書き換えのおこる場合や、一時データを保管するのには用途として向いていないとされています。 容量単価はかなり高価です。また、ハードディスクほど巨大な記憶容量を持った単体のドライブはまだ出回っていません。 高価とはいえ、値段はこなれてきており、それによって効率化される分野であれば導入する価値のあるデバイスです。 ハイブリッド型とFusionDrive これらの両方の特性の良い部分を活かしたハイブリッドハードディスク、あるいは最新型のiMacやMac miniに搭載されているFusionDriveと呼ばれるものがあります。 大規模なデータはハードディスク部に置き、頻繁に読み取られるデータはSSD部分に保存することで、両方のメリットを受けることができます。 小容量のSSDをハードディスクのキャッシュとして利用することで、全体の価格を抑えつつHDDの大容量も同時に備えるドライブをハイブリッドハードディスクと呼びます。 FusionDriveは128GBのフラッシュディスクと、1TBあるいは3TBのハードディスクを一つのボリュームとして扱います。 一般にハイブリッドハードディスクと呼ばれる単体のドライブではなく、個別のフラッシュディスクとハードディスクをシステム上で一つのドライブとしてアクセスする仕組みです。 128GBの容量を超えたデータを扱うとき、どういう挙動になるのか、頻繁に読み取る部分をどう判別するのか、といった部分はこれから検証が待たれます。

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FirewireとAppleと国内家電メーカー

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FirewireとAppleと国内家電メーカー

FirewireあるいはIEEE1394 Appleが開発したFirewire、一般にはIEEE1394と呼ばれるコンピュータ機器を接続する規格があります。 これは主にハードディスクなど記憶装置を接続するSCSIの後継規格として、Appleが開発を進め、正式に規格化したものです。 同時期に登場したUSB2.0と規格上の転送速度はあまり変わりませんでしたが、Firewireはプロセッサに負荷をかけずに転送ができ、同一条件で比較するとFirewireのほうが転送速度などで優れていました。 Firewireが実際にApple社のMacintoshに搭載されたのはPowerMacG3(B&W)の頃でした。 登場当初、これに対応した機器は少なく、またApple社の牽引力が現在とは比べられないぐらい小さかった当時、この規格をi.Linkという名称でDVビデオカメラに搭載したのがSONYでした。 デジタルビデオ用途に普及したIEEE1394 DVカメラは録画をテープ媒体にデジタル記憶するため、デジタルの高速通信規格があれば、ビデオ転送に画質を劣化させずにパソコンに取り込むことができました。 そのため、このIEEE1394規格を一般向けのハンディカムから、業務用のビデオカメラまでに採用したのが、普及のきっかけになりました。 SONY以外にもパナソニック等他のメーカーもDVカメラにはIEEE1394を利用するメーカーが増え、DVカメラからHDVカメラの時代はほとんどのビデオカメラにIEEE1394端子がついていました。 現在のAppleと日本家電メーカーの立ち位置からは、想像できない状態ではありますが、そのころの日本国内のメーカーは業界をリードする力を持っていた一つの例になると思います。 当時のAppleだけが採用する規格であれば、ここまでの機器が登場しなかったのではないかと考えます。 これらをきっかけにホームムービーなどの用途として、IEEE1394がパソコンにも積極的に取り入れられるようになりました。 家庭用ビデオカメラやデジタルカメラなどは、現在でも国内メーカーが全世界のシェアのほとんどを占めている業界です。 IEEE1394をビデオカメラに採用したのは当時としては積極性があり、最良の選択であったものと思われます。 このようなチャレンジともいえる選択を成功させ、再び国内メーカーが世界中での様々な分野のシェアを回復していくことを期待したいです。

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フリーウェアとアプリストアの行方

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フリーウェアとアプリストアの行方

フリーソフトのこれまで パソコンを使う上で、便利なフリーソフトに助けられたことは、誰しも経験のあることと思います。 ちょっとした画像の加工編集、ファイルの圧縮展開、FTPのクライアント、テキストの制作などなど、様々な個人開発の小さくて便利なアプリケーションが多彩にあることが、Windows全体の価値を高めていたといっても過言ではありません。 これらのソフトウェアは、製作者の個人的なニーズによって開発が開始され、他にも同じニーズのある人に対して、製作者の善意によって公開されているものがほとんどです。 製作者のニーズを満たした時点で、開発が停止してしまうことも多くありますが、中には多くのユーザーが利用することにより、様々な要望が生まれ、バージョンアップを繰り返して使いやすくなっていくものもあります。 しかし無償のアプリであっても、継続したバージョンアップには、開発者の時間と、開発ツールの更新に伴う費用などが発生することになるのは自明のことです。 これらの負担に耐えられなくなり、開発が終息したフリーソフトも沢山あるはずです。 いくばくかの労力と開発にかかる費用を回収できれば、それらのソフトの開発も続けられたかもしれませんが、個人的にユーザーから利用料を徴収する仕組みを作るのは、難しいことでした。 シェアウェアとして成功した例として秀丸エディタがあると思いますが、ライセンスの入金確認と、ライセンスの発行などに更なる労力を割くことは、本業が別にある兼業プログラマとしてはハードルが高いことでした。 アプリストアの登場 iPhoneのAppStoreを皮切りに、MacAppStore、GooglePlay、WindowsStoreなど、さまざまなプラットフォーム向けのアプリストアがサービスを開始しています。 これらはアプリの配布を一元化するという意図もあります。開発者各々のWebサイトを訪れて、個別にダウンロードする必要がありましたが、こういったアプリストアはアプリストア内で検索すれば、目的のアプリを簡単に探し出すことができます。 しかし最も重要な意味合いは、ソフト開発を簡単に収益化することができるという点でしょう。 価格はそれぞれ開発者が0円から自由に設定することができます。100円や300円、数千円から数万円するアプリも販売されています。需要と設定価格がうまくかみ合えば、安価なアプリでも十分な収益となりえます。 うち、何割かはストア運営の手数料として差し引かれ、開発者に手渡される仕組みになっています。iOSのAppStoreであれば、3割がAppleの収益となり、7割が開発者にわたります。 このような仕組みは運営する企業にとって、開発者の囲い込みとユーザーの囲い込みを同時に行うことができる、二重のメリットがあります。 簡単に収益化できるアプリストアのある環境が、開発者にとっても魅力的に見えますし、ユーザーも一度お金を払ったアプリが多くなればなるほど、他の環境に移りづらくなります。 アプリを買うということ 筆者の個人的な経験での例となりますが、inSSIDerという無線LANの電波の強さや、干渉などをグラフで可視化できる素晴らしいソフトがあります。これはWindowsバージョンは無料で配布されています。これがMacAppStoreでは現在450円です。 筆者は主にMacBookProをモバイルPCとして使っているので、MacAppStoreからこのソフトを購入しましたが、この価格が高価であるとは思えませんでした。有用性を考えれば、むしろ安価であると思います。 ニーズがあって、ニーズに見合う価格であれば、購入したいと考える人は多くいるはずです。 また一方で、どうしても無償でないと嫌だというユーザーがいることも確かです。そういう方でも必要があれば、商用のパッケージソフトは購入することもあると思います。 たとえばホームビデオ編集などをなどをして、DVDに書き込むという必要が生まれた場合、フリーソフトだけで何とかして、完成させることも可能ですが、そういった情報収集などが手間であれば、簡単にできるオールインワンパッケージを家電店などで購入します。 いまはまだ、アプリストアで有償のアプリを買う、という行為に慣れていない人が多い、という段階ではないかと考えます。 簡単に言えば、詐欺的なアプリにたとえ100円でも支払うのは嫌だ、という感覚は誰もが理解できることでしょう。 どのアプリストアも黎明期で、まだまだアプリの総量を増やしていくことが一番重要な課題であり、不要なアプリが淘汰されていくレベルには達していません。 これがやがて成熟した市場となった頃には、ユーザーの意識も、開発者の意識も整理されてくるのではないでしょうか。

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RAIDとはなんですか

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RAIDとはなんですか

昨日、このブログ記事を読んでいて、思わず笑って切なくなってしまったのもあり、RAIDについて書いてみようと思います。 RAIDという言葉もパソコンにある程度詳しい方なら、一度は聞いたことのある用語だと思います。 RAIDの起源 RAIDはカリフォルニア大学バークレー校で1988年に発表された論文の中で初めて登場しました。 RAIDは頭文字からなる言葉でRedundant Arrays of Inexpensive Disks、の略語で、「安価なディスクの冗長的な配列」と訳すべきでしょうか。 当時、メインフレーム等大型のコンピュータに導入されているハードディスク装置は、現在のハードディスクという言葉から想像もできないぐらい高価であり、一般用の安価なハードディスクとの価格差、性能差は大きなものがありました。 この安価なハードディスクを、複数台束ね、アクセスを分散させることによって、個々の安価なハードディスクでも、それなりの性能を引き出すことを目的としてRAIDは生まれました。 現在、一般用のハードディスクの性能が向上し、高価なハードディスク装置というものがなくなり、ハードディスクを複数台束ねて使うことが一般的となったため、RAIDの中からInexpensive(安価)という部分が意味をなさなくなり、Redundant Arrays of Independent Disks(独立したディスクの冗長的な配列)という言葉の略称であるといわれることが一般的です。 RAIDの種類 RAIDという言葉を私たちが聞くとき、RAID0、RAID1、RAID5などと数値とともに表されています。 これらの数値にはそれぞれ意味があります。 RAID0 RAID0は複数台のハードディスクを束ねて使うことで、書き込み、読み込みの高速性を追求した形です。ストライピングとも呼ばれます。信頼性は単体のハードディスクより下がります。 現在ハードディスクと本体PCを接続する規格としてシリアルATAがよく使われていますが、これは最大600メガバイト/秒の読み書き性能があります。 標準的なHDDの読み書き速度は最高でも100メガバイト/秒前後ですので、複数のハードディスクに分散して読み書きすることによって、一台のハードディスクの上限を超えて読み書きを行う目的で使用されます。 複数台のハードディスクに分散して一つのファイルを書き込みますので、一台のハードディスクでも故障すれば、あらゆるファイルの復元は不可能になってしまいます。 一時的なファイルを高速で読み書きする必要があるときのみ勧められるかも知れませんが、このような状況はなかなかありません。 RAID1 RAID1は複数台のハードディスクに、同一のデータを書き込むことによって、ハードディスクの故障に備えた、予備を作るという目的で使用されます。 ハードディスク2台から構築でき、OS自体がその機能を持っていることも多いので、一番身近なRAIDの形といえます。 ハードディスクが故障した場合、故障していないハードディスクで継続してデータの読み書きができるため、あまり細かいことを気にする必要なく運用できる単純な構成です。 ただ、RAID1=データのバックアップとして認識するのは、問題があります。 このRAID1のボリュームに対して、データを破壊するような書き込み(たとえば誤ってファイルを消去する)を行ってしまった場合に、構成するハードディスクすべてに同様の書き込みが行われてしまいます。 あらゆるRAIDに言えることですが、RAIDボリュームはあくまでハードディスクの故障という問題に対処するための手段であり、データの保護のためには、別のハードディスクやRAIDボリュームに対して、バックアップを行うことが、データを失わないために重要なことです。 RAID5 RAID5は、3台以上のハードディスクから構築され、複数台に分散して書き込みを行うRAID0の高速性と、うち1台のハードディスクの故障があっても、パリティと呼ばれるデータから、読み書きが継続して行うことができるという耐障害性を備えた方式です。 このパリティの計算を行う必要があるため、専用のコントローラーなどを用意しないと、十分なパフォーマンスを得られません。 また同時に2台以上の障害が起こると、すべてのデータが読みだすことができなくなってしまうため、1台に障害が起これば、できるだけ速やかにハードディスクを交換し、リビルドという操作で、RAIDのデータの再構築を行う必要があります。 そのため、RAID5を運用していくうえで、メンテナンス体制が最も重要なことになります。 メーカー保守がなく、独自運用していくためには、ノウハウと、準備が重要です。 バックアップは重要です データの保全という意味でのバックアップは、RAIDとは分けて考えるべきです。 WindowsであればWindowsバックアップでの定期バックアップという手段も用意されていますし、RAIDを利用したNAS(ネットワークストレージ)なども、独自の外部端子と、バックアップタスクを設定できるものがほとんどです。 大規模なRAIDでも定期的なテープ装置などによるバックアップは欠かせませんし、小さい規模のRAIDでも同じことです。 ハードディスクはいつかは壊れることは前提として考え、それは明日かもしれません。障害から復旧までの時間はRAIDを使えば、短縮できることは多いでしょう。 それに加えて、RAIDボリューム自体の破損にも備えが必要となります。

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AdobeはFlashを諦めない

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AdobeはFlashを諦めない

Adobe Game Developer Toolsが本日Adobe社より公開されました。 これはFlashを基盤として、Flashが動作するパソコン/Mac、及びiOS機器/Android機器へのゲーム作成プラットフォームとして、機能と窓口を整えたものです。 Adobe Game Developer Toolsとは FlashのプロファイリングツールAdobe Scout、ゲーム用フレームワークのAdobe Gaming SDK,C++のコードをActionScriptにコンパイルできるFlash C++ Compilerによって構成されています。 プロファイリングツールとは、主にどの部分が、プロセッサやメモリを使っているのかを解析するツールです。 この情報を元にプログラムコードを最適化して、いわゆる「重い」部分を解消することができます。 ゲーム用フレームワークは、2D向けゲームや3D向けゲームについて、使いやすいライブラリを用意しておくことで、より簡単にゲーム制作を始められるようにする枠組みです。 これにはiOSなど独自の機能についてのフレームワークも含まれており、アプリ内で課金するなどといったことも簡単にゲームに組み込むことができるようになります。 C++コンパイラーは、一般にゲーム制作に多く使われているC/C++言語のコードをFlash向けに書き換えるというものです。 これによって、従来C/C++で開発されていたPC向けの大規模なゲーム等も、ソースコードを流用することができるようになります。 すべてがそのままに動作するということはないでしょうが、作りこまれたプログラムをそのまま持ち込むことができるのは、従来のゲームプログラマーにとって窓口を広げることになります。 Flashとモバイル機器 Flash PlayerがiOSなどで認可されなかった経緯もあり、モバイル機器などでの実行ができないことから、プラットフォームとして厳しい状況に置かれていました。 その後、Andoroid向けのFlashPlayerの提供停止などもあり、FlashはPCのWebブラウザの中だけで動作し、徐々に衰退していくのではないかという憶測も流れました。 しかし、iOSやAndroid形式に単独で動くアプリを開発することが可能となり、ActionScriptやAirといった、Flash系の開発者にとって、使い慣れた環境で、ブラウザでも、iOSでも、Androidでも同じコードで動作するアプリを作ることができるようになりました。 何が変わるのか 単体アプリとして、ゲームという分野を重んじるなかで、PC向けの3Dゲームエンジンとして実績のあるUnreal Engine3のFlash版などをリリースすることで、よりユーザーの望む、ゲームの体験を提供できるように機能を強化してきました。 ここで今回のAdobe Gaming Developer Toolsが登場したことで、より多くのゲーム開発者をFlashプラットフォームに呼び込むことが狙いでしょう。 ゲーム開発者のメリットとして、一つのソースコードでマルチデバイスで動作し、課金なども行いやすいAppStoreやGooglePlayなどでの収益化などがあげられると思います。 Flashをブラウザでのリッチなコンテンツ制作ツールから、より間口の広いプラットフォームとして進化させることで、Adobe社はFlashを充実した開発環境として提供する用意ができたのではないでしょうか。 Adobeはブラウザ上のリッチコンテンツはAdobe EdgeでHTML5による方法も用意しつつ、Flashをマルチプラットフォーム向けの開発ツールとして再定義することで、Flashという技術や開発コミュニティーを諦めていないという意思表示になっていると考えます。

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Microsoft Accessの移行について

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Microsoft Accessの移行について

Microsoft Office Suiteの中に含まれる、データーベースアプリケーションAccess(アクセス)について、過去にも Access2013へのコンバージョン Accessのリプレースシステム開発 という記事を書かせていただいております。 今回Accessがどうなるのか、今あるAccessの資産をどうすればいいのか、ということについて考えてみます。 Microsoftサポートへの問い合わせ 現在RTM(Release to manufactureing、製品リリース用バージョン)版が一部提供開始されているOffice2013ですが、これについて、気になる点をサポートに問い合わせてみました。 ・Office2013はいつ発売になるのか (回答)現在のところ、正確な発売日は決定されていない。 ・Office2013リリース後はOffice2010は継続して入手できるのか (回答)従来であれば、後継製品リリース後にも旧バージョンはしばらく併売となるのが慣例。今回、必ずしもそうであるとは回答できないが、Office2010がすぐに手に入らなくなることはないのではないか。 ・Office2013からOffice2010へのダウングレードなどはあるのか (回答)ダウングレードはないが、現在Office2010を購入すると、Office2013への無償アップグレードはある。現在Office2010を購入して、Office2013へアップグレードしても、アンインストールしてOffice2010を再インストールすることは可能。 ということでした。 AccessについてもOfficeSuiteの一部ですから、同様に考えることができるでしょう。 旧来のAccess資産について Access97のmdbファイルはそのままAccess2007/2010に変換することはできません。 この場合、一度Access2000あるいはAccess2003で一度形式変換すれば、Access2007/2010に読み込ませることが可能となります。 Access97はかなり古いバージョンではありますが、業務用途に作りこまれている場合、なかなか入れ替えが難しいという状況もあるのではないでしょうか。 ここで気を付けなければならないことが何点かあります ・LenBの挙動が変更されている LenBは文字列のバイト数を数えるVBA関数です。Access97では半角文字を1、全角文字を2として計算されていましたが、Access2000以降では、すべての文字が2として計算されるようになっています。 Access97も内部ではUnicode(UTF-16)としてデータを持っているようですが、以前のバージョンのVBAとの互換性のためにこのような仕様となっていたものと思われます。 UTF-16は一つの文字を16bit(2バイト)として取り扱う符号化形式ですので、半角英数文字も全角文字も2バイト文字として扱われます。 ・レポート、フォームなどで文字が切れることがある テキストフィールドの仕様が変更になったようで、そのままではレポートの文字が切れてしまう、入力フォームのフィールドの幅が足りないといったことが頻繁に起こります。 レポートやフォームを精査すれば、これらの変更には対応できますが、変換してすべてチェックしないと、レポートで一文字でも落ちていたりすると、重大な不具合になりかねません。 ・VBAでのコードの変更 コードを例示すると、Access97では下記になります。 [vb] Dim db As Database, cust As Dynaset, chk As String If IsNull(日付) Then Exit Function End If Set db = CurrentDb() Set cust = db.CreateDynaset("年月テーブル") [/vb] これが、Access2003以降では、下記のようになります。 [vb] Dim db As DAO.Database Dim cust As DAO.Recordset Dim chk As String If IsNull(日付) Then Exit Function End If Set db = CurrentDb() Set cust = db.OpenRecordset("年月テーブル",dbopenDynaset) [/vb] このように、Accessのバージョンに応じたVBAコードの書き直しが必要となります。 Access2013で廃止された機能 Access2010まで提供されていたアップサイジングウィザードは、ADPとともに廃止になるようです。 アップサイジングウィザードはAccessデーターベースから、SQLServerへデータを移行し、AccessをSQLServerのクライアントとして使用するツールです。 テーブルはそのままSQLServerのテーブルに変換、クエリはストアドプロシージャに変換して接続、フォームとレポート、マクロ、モジュールなどをAccessのADPで実行する形になります。 これらの機能がAccess2013ではなくなってしまいます。 必ずしもうまくいくケースばかりではない、あるいはSQLServerとAccessのバージョンの組み合わせなどでうまく完了しないといった問題もありましたが、これらの機能が完全になくなってしまうのは、AccessからSQLServerへのアップサイジングの手段が一つ失われることになります。 Accessをこれからどう扱えばいいか 旧来の資産を活かす、あるいはSQLServerへのアップサイジングを予定している場合は、Access2010が発売されているうちに行うべきかもしれません。 Windwos8ではAccess2003以前のAccessが動作サポートされていないため、これから新規にPCを調達する場合はWindows7へのダウングレード権と所有しているAccessのバージョンを確認しておくことも必要です。 Accessはデータベースとしての基本機能と、レポート、フォーム、VBAの開発環境が一体となっており、代替のソフトウェアについては乏しいのが現実です。 互換性はありませんが、FileMakerが同じような分野のソフトウェアといえます。 .netで作成されたクライアントとSQLServer環境への移行についても、それなりの規模の開発となります。 弊社でもAccessから.net+SQLServer環境への移行は複数行っておりますので、もしお力になれるようでしたら、一度ご相談ください。

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