kintoneコラム

kintoneは安い?利用人数が増えたときに考えたい本当の運用コスト

「kintoneが使いにくい」は使い方の問題?それともツールの限界?

kintoneは本当にノーコード?使い込むほど増えていくJavaScript・プラグイン・API

kintoneを導入すればDX?「ツールを入れること」と「業務を変えること」は別の話

kintoneでできること・できないことを一覧で解説。導入のメリット・デメリット、向いている企業、導入前の注意点までわかりやすく紹介します。

kintone APIとは、kintoneが外部システムやツールと情報をやり取りするための仕組みで、簡単に言えば「kintoneを他のシステムとつなぐ橋渡し」のような役割を持つシステムのことです。導入することによって、外部ツールとの連携ができ、データの一言管理が実現します。この記事では、kintone APIの種類や基本的な連携方法、連携できるサービスなどを解説します。

kintoneは安い?利用人数が増えたときに考えたい本当の運用コスト

kintoneは、一般的なスクラッチ開発と比較すると、比較的少ない初期投資で業務システムを始められるサービスです。 サーバーを用意する必要がなく、アプリも短期間で作成できます。 そのため、小規模な業務改善からスタートすると、 「kintoneは安い」 と感じる企業も多いのではないでしょうか。 一方、利用する社員が100人、300人、500人と増えていくと、少し見え方が変わってきます。 kintoneが高いか安いかは、1ユーザーあたりの月額料金だけでは判断できません。 利用人数が増えたときの年間費用、プラグインや外部サービス、開発・保守まで含めた総コストで考える必要があります。 kintoneのスタンダードコースは月額1,800円/ユーザー 2026年10月現在、kintoneの料金は次のようになっています。 ライトコースは月額1,000円/ユーザー、スタンダードコースは月額1,800円/ユーザー、ワイドコースは月額3,000円/ユーザーです。いずれも税抜価格です。 ライト・スタンダードは最低10ユーザー、ワイドは最低1,000ユーザーからとなっています。 また、プラグインや外部サービスとの連携などの拡張機能を利用できるのはスタンダードコース以上です。 企業で本格的にkintoneを活用する場合、スタンダードコースを選択するケースは少なくないでしょう。 そこで月額1,800円で単純計算すると、 100ユーザーなら月額18万円、年間216万円。 300ユーザーなら月額54万円、年間648万円。 500ユーザーなら月額90万円、年間1,080万円です。 1人月額1,800円だけを見ると、それほど大きな金額には感じないかもしれません。 しかし利用人数が増えると、会社として支払う絶対額はそれなりの規模になります。 年間1,000万円でも「高い」とは限らない ここで誤解してはいけないのは、 年間1,000万円だからkintoneは高い という話ではありません。 例えば500人がkintoneを利用することで、一人あたり年間10時間の業務時間を削減できたとします。 会社全体では5,000時間です。 さらに、 情報共有が早くなる。 二重入力がなくなる。 承認時間が短くなる。 属人化が減る。 問い合わせ対応が効率化する。 といった効果が得られるなら、年間1,000万円を超える利用料でも十分な投資効果がある可能性があります。 反対に、高額な利用料を支払っているにもかかわらず、 「結局Excelも使っている」 「ほとんど使わない社員にもアカウントがある」 「以前と業務時間があまり変わっていない」 という状態であれば、費用対効果を一度確認した方がよいでしょう。 見るべきなのは料金の安さではなく、 支払っている費用に対して、どれだけ業務が改善しているか です。 kintoneの費用はライセンス料金だけではない もう一つ考えておきたいのが、実際の運用コストです。 kintoneを使い込んでいくと、標準機能だけでは足りなくなり、 プラグイン帳票サービスWebフォームデータ連携サービス外部ストレージJavaScriptカスタマイズAPI連携 などを利用することがあります。 もちろん無料のプラグインやサービスもありますが、有料サービスを複数利用すれば、その費用も毎月発生します。 また、システム会社へカスタマイズや保守を依頼している場合には、開発費や保守費も必要です。 社内担当者がkintoneを管理している場合でも、その担当者がアプリ作成や問い合わせ対応に使っている時間は、会社にとってコストです。 したがって、本当のkintone運用費用は、 ライセンス料金だけではありません。 5年間で考えると見え方が変わる 業務システムは通常、1年だけ使うものではありません。 5年、10年と利用することもあります。 そのためシステムを比較するときは、 「今年いくらかかるか」 だけではなく、 5年間でいくらかかるか という視点を持った方が分かりやすくなります。 例えば500ユーザーでスタンダードコースを利用した場合、現在の価格を単純に5年間据え置いたと仮定すれば、ライセンス料金だけで5,400万円になります。 もちろん、実際の将来価格が現在と同じとは限りません。 また、スクラッチ開発であれば初期開発費、サーバー費用、保守費、バージョンアップ費などが必要になります。 つまり、 kintoneだから高い、スクラッチだから安いという単純な比較はできません。 重要なのは、同じ期間・同じ業務範囲で総額を比較することです。 人数が増えたら「全員が使う必要があるか」も見直す kintoneを導入した当初は30人だった会社が、その後100人、300人と成長することもあります。 あるいは、一部部署だけで始めたkintoneを全社へ展開することもあります。 そのとき、 「全社員がkintoneを使う」 こと自体を目的にしない方がよいと思います。 本当に日常的にkintoneを利用する必要があるのか。 閲覧だけが必要なのか。 別システムから必要な情報を連携できないのか。 その業務自体をkintoneで行う必要があるのか。 利用人数が増えるほど、一人あたりでは小さな差でも会社全体では大きな金額になります。 だからこそ、全社展開する段階では一度システム全体を見直す価値があります。 プラグインを増やし続ける方が安いとは限らない もう一つ注意したいのが、 「スクラッチ開発は高いから、できるだけkintoneで作る」 という考え方です。 最初は合理的でも、 プラグインを追加する。 さらに別のサービスを契約する。 JavaScriptを開発する。 外部システムとAPI連携する。 という状態が続くと、数年後にはかなり複雑なシステムになる場合があります。 そこで重要なのは、 kintoneで実現できるかどうかではなく、kintoneで実現することが長期的に合理的かどうか です。 シンプルな顧客管理や案件管理はkintone。 複雑な販売管理は専用システム。 必要な情報だけを連携する。 という方が、長期的には分かりやすく、コストを抑えられる場合もあります。 「月額1,800円」ではなく、業務全体のコストを見る kintoneは、少人数から業務システムを始められる便利なサービスです。 初期費用も無料で、サーバー構築などを行わずに利用を開始できる点は大きなメリットです。 一方、利用人数が増え、アプリや外部サービス、カスタマイズが増えてきたら、 一度、総コストを計算してみる時期 かもしれません。 ライセンス料金。 プラグイン。 外部サービス。 開発費。 保守費。 社内担当者の運用工数。 そして、その費用によって何時間の業務が削減できているのか。 これらを合わせて考えることで、初めて本当の費用対効果が見えてきます。 kintoneが高いか安いかに、すべての企業に共通する答えはありません。 ただし、 利用人数が増えても「1人月額1,800円だから安い」という導入当初の感覚のままでよいのか は、一度見直してもよいのではないでしょうか。 システムは導入することが目的ではありません。 支払っているコスト以上に、会社の業務を効率化できているか。 その視点で定期的に見直すことが、kintoneを長く有効活用するためにも重要だと考えています。 https://www.sys-cube.co.jp/kintone

「kintoneが使いにくい」は使い方の問題?それともツールの限界?

kintoneについて調べると、「簡単に業務アプリを作れる」「現場でも使いやすい」といった評価をよく目にします。 一方で、実際に利用している企業からは、 「思ったより使いにくい」 「結局Excelも併用している」 「アプリが増えて分かりにくくなった」 といった声を聞くこともあります。 では、kintoneが使いにくいと感じるのは、使い方の問題なのでしょうか。それとも、kintoneというツール自体に限界があるのでしょうか。 システム会社の立場から見ると、原因は大きく3つに分けて考えると分かりやすいと思います。 「設計の問題」「運用の問題」「そもそも業務との相性の問題」です。 アプリを作れることと、使いやすいことは別 kintoneは、専門的なプログラミングをしなくても比較的簡単に業務アプリを作れることが大きな特徴です。 ただし、 作れることと、使いやすく作れることは同じではありません。 例えば、担当者から要望された項目をすべて追加した結果、入力項目が何十個も並んでしまう。 必要になるたびにアプリを増やした結果、似たような情報が複数のアプリに分散してしまう。 こうなると、利用者は、 「どこに入力すればいいのか」 「どの情報が最新なのか」 が分かりにくくなります。 これはkintoneそのものの問題というより、設計の問題です。 実際、サイボウズ社が紹介している事例の中にも、利用を続ける中でフィールド数が非常に多くなり、再設計によって改善したケースがあります。 簡単に項目やアプリを追加できるからこそ、定期的に全体を見直すことが重要です。 Excelに慣れていると「使いにくい」と感じることもある もう一つ多いのが、これまで使っていたExcelとの操作感の違いです。 Excelであれば、 一覧を見ながら直接編集する。 複数行をまとめて変更する。 コピー&ペーストする。 自由に列を追加する。 といった操作ができます。 長年Excelで仕事をしてきた人にとっては、kintoneの操作方法に違和感を持つこともあります。 サイボウズ社が公開している事例でも、利用者から「kintoneは使いにくい」という声が出たものの、その背景にExcelとの見た目や操作方法の違いがあり、改善によって利用が進んだケースが紹介されています。 つまり、 「慣れていない」と「ツールとして使いにくい」は分けて考える必要があります。 ただし、何か月使っても現場から「入力が面倒」「Excelの方が早い」という声が出続けているのであれば、単純に「慣れてください」で終わらせるべきではありません。 Excelとの二重管理が残っているなら理由を確認する kintoneを導入した後もExcelが残っている会社は珍しくありません。 Excelを使っていること自体が問題なのではありません。 集計や試算など、Excelの方が適している仕事もあります。 問題なのは、 同じ情報をkintoneとExcelの両方で管理している状態 です。 なぜExcelが残っているのか。 kintoneでは入力しにくいのか。 一覧性が足りないのか。 帳票や集計が必要なのか。 現場がkintoneの情報だけでは仕事を完結できないのか。 この理由を調べると、「使いにくい」の正体が見えてくることがあります。 Excelを禁止する前に、 なぜ利用者がExcelへ戻ってしまうのか を確認することが重要です。 それでも使いにくいなら、業務との相性を考える 設計や運用を見直しても使いにくさが残る場合は、 そもそも、その業務がkintoneに向いているのか を考える必要があります。 どんなシステムにも得意なことと不得意なことがあります。 kintoneは、顧客管理や案件管理、問い合わせ管理、申請業務など、情報を共有しながら柔軟に改善していく業務では非常に使いやすいツールです。 一方で、 複雑な業務ロジックがある。 大量のデータを高速に処理したい。 画面操作を細かく最適化したい。 多数の外部システムと密接に連携したい。 といった要件では、専用システムの方が適しているケースもあります。 このとき重要なのは、 「どうすればkintoneで実現できるか」 だけを考え続けないことです。 「そもそもkintoneで実現することが最適なのか」 という視点も必要です。 「使いにくい」の原因は3つに分けて考える 現場から「kintoneが使いにくい」と言われた場合、私は次の3つに分けて考えるのがよいと思います。 1.設計の問題 入力項目が多すぎる。 アプリが増えすぎている。 同じ情報を複数箇所に入力している。 この場合は、kintoneのアプリ構成やデータ設計を見直すことで改善できる可能性があります。 2.運用の問題 使い方が社内で統一されていない。 アプリの目的が十分に伝わっていない。 従来のExcelとの違いに慣れていない。 この場合は、運用ルールや教育の見直しが有効です。 3.業務との相性の問題 改善を重ねても複雑になる。 独自の処理が多い。 外部連携が増え続けている。 この場合は、一部の業務を別システムへ切り出す方法も検討した方がよいでしょう。 この3つを区別せず、 「kintoneが悪い」 あるいは、 「利用者が使いこなせていない」 と決めつけてしまうと、本当の問題を見落としてしまいます。 kintoneを使い続けるためにも「向いていない業務」を見極める kintoneを長く活用するために、すべての業務をkintoneに集約する必要はありません。 例えば、 顧客管理や案件管理はkintone。 複雑な販売管理は専用システム。 必要な情報だけを連携する。 という構成も考えられます。 もちろん、現在のkintoneを整理するだけで十分改善する場合もあります。 大切なのは、 kintoneを使い続けるか、やめるかという二択で考えないことです。 今のkintoneを改善する。 運用を見直す。 一部だけ別システムにする。 必要であれば移行する。 業務ごとに最も適した方法を選ぶ方が、長期的には使いやすいシステムにつながります。 「kintoneが使いにくい」という現場の声は、必ずしもkintoneをやめるべきサインではありません。 しかし、 現在のアプリ設計や運用、そしてkintoneと業務との相性を一度見直した方がよいサイン である可能性はあります。 システムキューブでは、kintoneの開発・カスタマイズだけでなく、.NETなどを利用した業務システムの開発にも対応しています。 そのため、kintoneを使うことを前提にするのではなく、 その業務にとって何が最も使いやすく、保守しやすいのか という視点から考えることを大切にしています。 https://www.sys-cube.co.jp/kintone

kintoneは本当にノーコード?使い込むほど増えていくJavaScript・プラグイン・API

kintoneは「ノーコード・ローコードツール」として広く知られています。 実際、プログラムを書かなくても、ドラッグ&ドロップを中心とした操作で業務アプリを作ることができます。 Excelや紙で管理していた業務を短期間でアプリ化したい場合には、非常に便利な仕組みです。 システムキューブでもkintoneを利用していますし、サイボウズ社のパートナーとしてkintoneの開発・カスタマイズにも携わっています。 そのうえで、システム開発会社として一つ考えておきたいことがあります。 kintoneは、本当に「ノーコードの業務システム」と言い切れるのでしょうか。 もう少し正確に言えば、 「ノーコードで始められること」と、「ノーコードのまま長期間使い続けられること」は、同じではないのではないか。 という疑問です。 kintoneは間違いなく「ノーコードで始められる」 最初に明確にしておきたいのは、kintoneをノーコードツールと呼ぶこと自体がおかしいという話ではありません。 サイボウズ社も公式サイトで、kintoneはドラッグ&ドロップによるノーコード開発に加え、JavaScriptを利用したローコード開発、他システムとの連携、プラグインによる機能拡張にも対応していると説明しています。 例えば、 顧客管理 案件管理 日報 問い合わせ管理 備品管理 簡単な申請 アンケート管理 といった業務であれば、プログラムを書かずに十分実用的なアプリを構築できるケースがあります。 これまで、 「Excelでは複数人で管理しにくい」 「Accessを使える担当者がいなくなった」 「小さな業務システムのために数百万円の開発費をかけるのは難しい」 と考えていた企業にとって、kintoneの登場によってシステム化のハードルが下がったことは大きなメリットです。 問題は、その先です。 業務で使い始めると「もう少しこうしたい」が増えてくる 最初は標準機能だけで十分だったアプリでも、実際に現場で使い始めると、さまざまな要望が出てきます。 例えば、 「この項目を入力したら、別の項目を自動計算してほしい」 「条件によって項目を表示・非表示にしたい」 「一覧画面をもっと見やすくしたい」 「見積番号を自動採番したい」 「別のアプリへ自動的にデータを反映したい」 「会計システムと連携したい」 「Webサイトから登録された情報を自動でkintoneへ入れたい」 「基幹システムのマスタ情報をkintoneでも利用したい」 といったものです。 ここから、kintoneは単純なノーコードアプリから少しずつ姿を変えていきます。 まず増えてくるのがプラグイン 標準機能では実現できないことが出てきたとき、最初の選択肢になりやすいのがプラグインです。 プラグインは非常に便利です。 自社でJavaScriptを書くことなく、 入力支援帳票作成アプリ間連携検索機能強化一覧画面改善 など、さまざまな機能を追加できます。 「標準機能では少し足りない」という状況を、比較的簡単に解決できます。 これはkintoneの大きな強みの一つです。 ただ、注意したいのは、 プラグインを追加することは、システムの構成要素を一つ増やすことでもある という点です。 例えば10個のプラグインを利用すれば、それぞれについて、 どのアプリで使っているのか何のために導入したのか契約は誰が管理しているのか費用はいくらなのか将来も提供され続けるのか といった管理が必要になります。 プラグインそのものが悪いわけではありません。 しかし、 「困ったらプラグインを追加する」 を繰り返していくと、数年後にはシステム全体の構成を把握しにくくなることがあります。 プラグインでも足りなければJavaScriptへ さらに細かい要望が出てくると、JavaScriptを使ったカスタマイズが必要になる場合があります。 kintoneには正式にJavaScript APIが提供されており、JavaScriptやCSSを利用して画面やアプリの動作をカスタマイズできます。 これは非常に強力です。 kintoneの標準画面だけでは実現できない入力制御や表示変更なども可能になります。 ところが、この時点で状況は少し変わります。 JavaScriptを書いているのであれば、それはもう通常の意味での「ノーコード」ではありません。 プログラムです。 当然、 仕様を理解する人ソースコードを管理する人不具合が起きたときに調査する人将来修正する人 が必要になります。 サイボウズ社自身も、kintoneはノーコードで始められる一方、高度な画面カスタマイズや外部サービスとの連携にはエンジニアのスキルが必要だと説明しています。 ここは、kintoneを長期間利用するうえで非常に重要なポイントだと思います。 さらに使い込むとREST APIや外部連携が登場する kintoneにはREST APIも用意されています。 REST APIを利用すると、kintoneのレコードを取得・登録・更新したり、外部システムとデータをやり取りしたりできます。 例えば、 基幹システム販売管理システムECサイトWebフォーム会計システム外部データベース などとの連携が可能になります。 ここまで来ると、kintoneは単独のノーコードツールというより、 企業システムを構成する一つのプラットフォーム という性格が強くなってきます。 kintone+プラグイン+JavaScript+REST API+外部サービス という構成になるからです。 この構成自体が悪いわけではありません。 むしろ、適切に設計されていれば非常に便利な仕組みになります。 ただし、 「ノーコードだからシステム部門がいなくても簡単に管理できる」 という当初のイメージとは、少し違うものになっている可能性があります。 いつの間にか普通の「システム開発」になっていないか ここで一度、立ち止まって考えてみたいと思います。 例えば、ある企業のkintone環境が、 30個のアプリ10種類のプラグイン複数のJavaScriptカスタマイズ外部システムとのAPI連携独自の帳票複雑なアクセス権複数段階の承認フロー という構成になっていたとします。 これは「ノーコードシステム」でしょうか。 少なくとも、システム会社から見ると、 かなり本格的な業務システムです。 しかもJavaScriptを書いている担当者が退職した場合、そのコードを誰かが読み解く必要があります。 API連携している外部システムが変更された場合には、連携部分を修正する必要があります。 利用しているプラグインが提供終了すれば、代替方法を検討する必要があります。 つまり、 ツールをノーコードで作ったかどうかと、システムをノーコードで保守できるかどうかは別問題 なのです。 サイボウズ自身が開発者向けに本格的な情報を提供している この点は、サイボウズ社自身が非常によく理解していると思います。 cybozu developer networkには、 JavaScript APIREST APIWebhookプラグインTypeScriptReactViteasync/await など、かなり本格的な開発者向け情報が用意されています。 2026年現在の開発者向けコンテンツでも、ViteによるJavaScript管理、TypeScript、React、REST API Clientなどが紹介されています。 ここまで来ると、 「プログラミング不要の簡単なノーコードツール」 という一面だけでkintoneを捉えるのは、少し違うのではないでしょうか。 むしろ、 ノーコードから始められ、必要に応じて本格的なシステム開発まで拡張できるプラットフォーム と考える方が実態に近いように思います。 これは決して悪いことではありません。 むしろ高い拡張性を持っているということです。 ただ、その拡張性を使えば使うほど、当然ながら設計・開発・保守の重要性も高くなります。 「簡単に作れる」と「簡単に保守できる」は別の話 ノーコード・ローコードツールについて考えるとき、私たちはどうしても「作るときの簡単さ」に注目しがちです。 プログラミング不要。 短期間で構築できる。 現場担当者でもアプリを作れる。 これは非常に分かりやすいメリットです。 しかし企業の業務システムは、作った瞬間よりも、その後使っている期間の方が圧倒的に長くなります。 1年。 3年。 5年。 場合によっては10年以上使います。 そこで重要になるのは、 誰が仕様を管理するのか。 誰が変更するのか。 どのプラグインを利用しているのか。 JavaScriptはどこにあるのか。 外部システムとはどのAPIで連携しているのか。 担当者が退職しても変更できるのか。 といった問題です。 つまり、 開発のしやすさだけでなく、5年後・10年後の保守性まで含めてシステムを考える必要があります。 ノーコードだから「設計しなくてもよい」わけではない ここは特に重要だと思います。 一般的なシステム開発では、 要件定義データ設計画面設計権限設計連携設計テスト などを行います。 ノーコードツールを使えば、プログラムを書く工程の一部を大幅に減らすことはできます。 しかし、 何をどう管理するかを考える工程までなくなるわけではありません。 例えば、 顧客マスタをどのアプリで持つのか。 案件と顧客をどう関連付けるのか。 同じ情報を複数アプリに持たせるのか。 権限をどうするのか。 将来どのシステムと連携するのか。 こうした設計を考えず、 「必要になったらアプリを作る」 「足りなければプラグインを入れる」 「さらに足りなければJavaScriptを書く」 という対応だけを繰り返すと、いつか全体構造が分かりにくくなります。 これはkintoneだから起きる問題ではありません。 AccessでもExcel VBAでも、スクラッチ開発でも同じです。 違うのは、 ノーコードツールは作り始めるハードルが低い分、全体設計を考える前にシステムが増えていきやすい という点です。 kintoneは「ノーコードか?」より「どこまでノーコードで使うか」が重要 では、kintoneはノーコードなのでしょうか。 答えは、 「ノーコードでも使えるし、ローコードでも使える。そして必要なら本格的な開発もできる」 が一番正確だと思います。 標準機能で業務が完結するなら、ノーコードのメリットを最大限に活かせます。 少し足りない部分をプラグインで補うのも有効です。 JavaScriptやAPIを利用して高度なシステムを作ることもできます。 問題は、 どこまでkintone上で作り込むのか という判断です。 例えば、標準機能で80%まで実現できる業務に、残り20%を実現するため大量のJavaScriptやプラグインを追加する。 その結果、保守が難しくなり、開発会社しか触れなくなる。 そうであれば、 「本当に残り20%までkintoneで作る必要があるのか」 を一度考えた方がよいケースもあります。 逆に、kintoneで十分実現できる業務を、わざわざゼロからスクラッチ開発する必要もありません。 大切なのは、kintoneを使うことでも、使わないことでもなく、 業務に対して適切な技術を選ぶこと だと思います。 「ノーコードだから安心」ではなく、一つの業務システムとして考える kintoneの価値の一つは、ノーコードで業務改善を始められることです。 これは間違いありません。 しかし、利用範囲が広がれば、 プラグインJavaScriptREST API外部システム連携 などが増える可能性があります。 そうなったときには、 「ノーコードだから簡単なシステム」 という認識から、 「会社の重要な業務を支える一つの業務システム」 という認識へ切り替えた方がよいでしょう。 そして業務システムである以上、 設計保守運用セキュリティ担当者の引き継ぎ将来の移行 まで考えておく必要があります。 システムキューブでも、kintoneを利用し、kintoneの開発やカスタマイズを行っています。 だからこそ、何でもkintoneへ作り込むのではなく、 標準機能でシンプルに使う部分、カスタマイズする部分、外部システムへ任せる部分を見極めること が、kintoneを長く使い続けるために重要だと考えています。 「ノーコードだからどう作っても大丈夫」ではありません。 むしろ簡単に作れるツールだからこそ、 5年後、10年後にも分かりやすく保守できる状態になっているか。 そこまで考えてkintoneを活用することが、本当の意味での業務改善につながるのではないでしょうか。 https://www.sys-cube.co.jp/kintone

kintoneを導入すればDX?「ツールを入れること」と「業務を変えること」は別の話

「DXを進めるためにkintoneを導入しました」 企業のシステムについてお話を伺っていると、このような話を聞くことがあります。 kintoneは、紙やExcelで管理していた業務をアプリ化でき、プログラミングの知識がそれほどなくても業務システムを作れる便利なクラウドサービスです。 実際、システムキューブでもkintoneを利用していますし、サイボウズ社のパートナーとしてkintoneの開発やカスタマイズにも携わっています。 ですから、この記事は「kintoneを使うべきではない」という話ではありません。 ただ、システム会社としてさまざまな企業の業務システムを見ていると、一つ気になることがあります。 kintoneを導入すること自体が、いつの間にか「DXの目的」になっていないでしょうか。 kintoneを導入することと、会社の業務を変えることは、同じではありません。 そもそもDXとは何でしょうか DXという言葉は非常に広い意味で使われるようになりました。 紙をなくす。 Excelをクラウド化する。 Web会議を導入する。 社内システムをクラウドへ移行する。 これらも広い意味ではデジタル化の取り組みですが、本来のDXはもう少し踏み込んだ概念です。 経済産業省はDXを、データとデジタル技術を活用して、製品やサービス、ビジネスモデルだけでなく、業務そのものや組織、プロセス、企業文化・風土まで変革し、競争上の優位性につなげていくことと定義しています。 つまり重要なのは、 「何のITツールを導入したか」ではなく、「その結果、会社や仕事がどう変わったか」 ではないでしょうか。 サイボウズ社自身も、DXについて単なる業務のデジタル化だけではなく、ビジネスモデルの変革まで含むものとして説明しています。 そう考えると、 「kintoneを導入した=DXができた」 という考え方には、少し注意が必要です。 紙をkintoneにしただけなら、仕事そのものは変わっていないかもしれない 例えば、これまで紙で行っていた申請書があったとします。 氏名を書く。 日付を書く。 申請内容を書く。 上司に渡す。 上司が確認して承認する。 これをそのままkintoneへ移したとします。 確かに紙はなくなります。 検索もしやすくなりますし、どこからでも確認できるようになります。 これは十分に意味のある改善です。 しかし、 「そもそも、この申請は必要なのか」 「承認は本当に3段階必要なのか」 「すでに別システムにある情報を、なぜもう一度入力しているのか」 「承認後に誰かが別システムへ転記していないか」 といった業務そのものを見直さないまま、紙の申請書をkintoneの入力画面へ置き換えただけなら、業務プロセス自体はほとんど変わっていません。 Excelについても同じです。 例えば20列あるExcel管理表を、そのまま20項目のkintoneアプリに置き換える。 もちろんデータを共有しやすくなるメリットはあります。 しかし、それだけでDXと呼んでよいのかについては、一度立ち止まって考えてもよいのではないでしょうか。 「今の仕事をそのままシステム化する」のは簡単です システム開発でもよくある話です。 お客様から、 「今、このExcelを使って仕事をしています。このままシステムにしてください」 と言われることがあります。 もちろん、その通りに作ることはできます。 しかし、そこで私たちが確認しなければならないのは、 「そもそも、そのExcelで行っている業務は現在も必要なのか」 ということです。 10年前に決められた業務フロー。 以前の担当者が作ったExcel。 なぜ必要なのか誰も分からない入力項目。 念のため残している承認。 別部署でも同じ情報を管理している二重入力。 こうしたものを整理せず、そのまま新しいシステムへ移してしまえば、 古い業務を最新のITツールの上で再現しただけ になってしまいます。 これはkintoneに限った話ではありません。 Power Appsでも、Salesforceでも、スクラッチ開発でも同じです。 新しいツールを導入したからといって、古い業務の考え方まで自動的に新しくなるわけではありません。 kintoneの「簡単に作れる」という長所だからこそ注意したい kintoneの大きな魅力の一つは、業務アプリを比較的素早く作れることです。 サイボウズ社も、kintoneを業務アプリを作れるノーコードツールとして紹介し、現場で思いついた業務改善を素早く実行できることを特徴として挙げています。 これは大きなメリットです。 従来のシステム開発なら、 要件を整理する設計する開発するテストするリリースする という工程を経るため、小さな業務改善でも時間や費用がかかることがありました。 kintoneなら、現場の担当者自身が試しながら改善することもできます。 実際に、大企業で現場社員が多数のアプリを作り、業務時間を大幅に削減した事例も公開されています。 これはkintoneの非常に優れた部分です。 一方で、 「簡単に作れること」と「良い業務システムになること」は別です。 ここは意外と重要だと思っています。 「困ったからアプリを作る」を繰り返していないでしょうか 例えば、 営業部門で顧客管理が必要になったので顧客アプリを作る。 案件を管理したくなったので案件アプリを作る。 見積を管理したくなったので見積アプリを作る。 問い合わせが増えたので問い合わせアプリを作る。 契約管理が必要になったので契約アプリを作る。 こうして現場の課題を一つずつ解決できることは、kintoneの良さです。 しかし数年後に振り返ると、 「同じ会社名が複数のアプリに入っている」 「どのアプリの情報が最新なのか分からない」 「似たような項目を何度も入力している」 「アプリ同士を連携するためにプラグインが増えている」 「さらにJavaScriptやAPI連携が追加されている」 という状態になる可能性があります。 最初の一つひとつの判断は間違っていなかった。 ところが積み重ねた結果、システム全体が複雑になっている。 これは従来型のシステムでも、ノーコード・ローコードでも起こる問題です。 実際、サイボウズ社が紹介する大規模利用事例でも、まず現場単位で多数のアプリを作った後、業務整理を行い、同じ業務フローの統合やアプリ数の整理、運用ルールの整備へ進む取り組みが紹介されています。 つまり、作ることと、全体を設計することは別なのです。 kintoneを入れることではなく、「何を変えたいのか」から考える kintoneを導入するとき、本来最初に考えたいのは、 「どんなアプリを作るか」 ではないと思います。 まず考えるべきなのは、 「今の業務の何が問題なのか」 です。 例えば、 毎月100時間かかっている入力作業を30時間にしたい。 情報を探す時間を減らしたい。 担当者しか分からない業務をなくしたい。 二重入力をなくしたい。 承認に3日かかっているものを当日に終わらせたい。 顧客情報を営業担当者だけでなく会社全体で共有したい。 こうした目的が先にあるべきです。 そして、 「その課題を解決する方法としてkintoneが適している」 のであれば、kintoneを使う。 逆に、 「この業務はkintoneより別の仕組みの方がよい」 のであれば、別の方法を選ぶ。 これが本来のシステム選定ではないでしょうか。 kintoneを使わないことがDXなのでもありません ここで誤解してほしくないのですが、 「kintoneではDXにならない」 と言いたいわけではありません。 むしろkintoneは、現場主導で素早く業務改善を行えるという意味で、DXを進める有効な選択肢の一つです。 サイボウズ社も、kintoneを利用して現場主導で業務改善を進め、DXにつなげた企業事例を多数公開しています。 問題は、 kintoneを導入したことそのものを成果にしてしまうこと です。 「50個アプリを作りました」 より、 「年間500時間の業務を削減しました」 の方が重要です。 「全社員にkintoneアカウントを配布しました」 より、 「それまで3日かかっていた業務が30分になりました」 の方が重要です。 DXを考えるのであれば、見るべき数字はアプリ数でもユーザー数でもなく、業務や会社がどれだけ変わったかではないでしょうか。 新しいツールで、古い業務を作り直していないか 私たちはこれまで、VB6や古いAccessなどで作られた業務システムの改修やマイグレーションにも携わってきました。 こうしたシステムも、導入された当時は決して「古いシステム」ではありませんでした。 その時代には便利で、会社の業務効率を大きく改善したシステムです。 しかし、その後10年、20年と使い続ける中で、 機能追加仕様変更担当者交代外部システム連携 などが積み重なり、現在では簡単に変更できないシステムになっていることがあります。 これはkintoneにも無関係な話ではないと思っています。 2026年現在、kintoneは「ノーコード・ローコード」「DX」といった新しいイメージで語られることが多いサービスです。 ただし、そこで作られているものは企業にとっては業務システムという長期的な資産です。 5年後。 10年後。 その仕組みをどのように保守するのか。 別のシステムへ移行する必要が出たとき、簡単に移行できるのか。 そこまで考えておく必要があります。 「新しいツールを使っているから新しいシステム」 とは限りません。 古い業務プロセスをそのまま新しいツールの上へ作り直せば、将来それが新しいレガシーシステムになる可能性もあります。 kintone導入の前に一度考えてみたいこと kintoneを導入すること自体がDXなのではありません。 大切なのは、 kintoneを使って何を変えるのか。 そして、 その変化によって会社にどんな価値が生まれるのか。 だと思います。 kintoneが最適なら、積極的に利用すればよい。 すでにkintoneを利用しているなら、もっと使いやすく改善すればよい。 一方、kintoneでは複雑になりすぎる業務なら、別の方法を検討してもよい。 特定のツールから考えるのではなく、業務から考える。 それが結果的に、最も長く使えるシステムにつながるのではないでしょうか。 システムキューブはkintoneを利用し、サイボウズ社のパートナーとしてkintoneの開発にも携わっています。 だからこそ、 「何でもkintoneにすればよい」ではなく、「kintoneをどこで使えば最も価値を発揮できるのか」 を考えることも、私たちシステム会社の役割だと考えています。 https://www.sys-cube.co.jp/kintone

kintone導入後の業務の変化をイメージした図

kintoneでできること・できないこと一覧!導入のメリットデメリットも

「kintoneって便利そうだけど、自社でも本当に使いこなせるの?」 「できることとできないことの違いがわかりにくい」 そんな不安や疑問を抱えていませんか? kintoneは、現場の業務を効率化できる柔軟なツールですが、すべての業務に万能というわけではありません。導入を成功させるには、特徴や向き不向きをしっかり理解しておくことが大切です。 そこでこの記事では、kintoneのできることとできないこと、導入が向いている企業などをわかりやすく解説します。 【この記事でわかること】 ・kintoneで何ができて、どこに限界があるのか ・導入によってどんな良い変化が生まれるのか、逆に注意すべきポイントはどこか ・自社に合っているかどうか、導入判断のヒントが知りたい kintoneの導入を検討している企業担当者の方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。 システムキューブはkintone導入支援を行う会社です。kintoneの導入を検討している企業様は、対面でのサポートも可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。 ご依頼主様の事業形態に合わせた、適切なkintoneの運用をご提案します。 https://www.sys-cube.co.jp/kintone https://www.sys-cube.co.jp/contact kintoneとは? kintone(キントーン)は、サイボウズ株式会社が提供するプラットフォームです。 業務改善を主な目的としており、プログラミングの知識がなくても、業務内容に合わせたアプリを自由に作成できたり、情報共有や承認フローがスムーズにできたりなど、導入で得られるメリットは多くあります。 kintoneは中小企業を中心に実用化が広がっていますが、すべての業種や業務形態に対応できるわけではない点には、注意が必要です。 kintoneでできることとできないこと kintoneには、できることとできないことがあります。その一覧を、以下にまとめました。 できることできないこと・アプリの作成・リアルタイムでの情報共有・ワークフローの構築業務・データの一元管理化・アクセス権限の細かい設定・複雑な処理や演算が必要なシステム開発・高度なデザインやUIカスタマイズ・大量のデータの高速処理・オフラインでの利用・複数アプリ間の複雑な連携 ここからは、kintoneのできることとできないことの内容を、詳しく見ていきましょう。 できること1.アプリの作成 kintoneの大きな魅力は、プログラミングの知識がなくても、業務アプリを自分で作ることができる点です。 たとえば営業部門が「訪問履歴を記録するアプリがほしい」と感じたとき、エンジニアを待たずにその場で作成ができます。テンプレートやサンプルアプリも用意されているため、ゼロから構築する必要がない点も、kintoneが重宝される理由のひとつです。 業務の課題を思いついたらすぐ形にできるというスピード感は、他のツールではなかなか得られないかもしれません。 できること2.リアルタイムでの情報共有 kintoneは、情報のやり取りをスムーズに行えるのが特長です。 たとえば現場で施工写真を撮影してそのままアプリにアップロードすれば、本社の管理担当がリアルタイムで状況を確認できます。コメント機能もあるため、「この工程OKです」「次の確認お願いします」といった指示が記録として残ります。 また、登録したデータはグラフやレポートで可視化できるため、上司への報告や社内会議の準備も不要になるなど、業務の効率化に貢献します。 できること3.ワークフローの構築 経費精算の申請があったときに、kintoneを活用することで、上司→経理担当→最終承認といった流れを、アプリ内で完結できます。 これにより、出張先から上司が申請を確認・承認できるようになります。また、紙やメールでの承認フローに比べてスピードが圧倒的に速くなることで「あの申請どこまで進んでたっけ?」という混乱を防ぐことにもつながります。 できること4.業務データの一元管理化 kintoneを使えば、これまで「顧客情報はExcel」「案件進捗は紙」「報告はチャット」とバラバラだったものが、アプリに統一できます。 統一化が実現し、必要な情報を見つけやすくなれば、これまでの無駄な時間コストも削減できるでしょう。また、kintoneを活用することでGoogleカレンダーやSlackなどの外部サービスとも連携できるため、情報が自動でつながる仕組みを構築することも可能です。 できること5.アクセス権限の細かい設定 kintoneではアプリごと、さらには1件1件のデータごとに、誰が見られて誰が編集できるかを細かく設定できます。たとえば人事データは人事部だけに公開し、他の部署からは非表示にするなどの対応も可能です。 これにより情報漏洩のリスクを最小限に抑えつつ、安心して社内全体で情報を共有できる環境が整います。 できないこと1.複雑な処理や演算が必要なシステム開発 ここからは、kintoneができないことや苦手なことを見ていきましょう。 kintoneは簡単なアプリ作成には強いですが、会計処理や生産管理のような高度なロジックを必要とするシステムは、得意ではありません。 たとえば「在庫のリアルタイム自動引き落とし」や「複雑な条件での料金計算」などを組み込みたい場合、標準機能では限界があります。無理にkintoneで実現しようとすると、想定通り動かなかったり処理が遅れたりなどの問題が、発生するかもしれません。 こうした場面を回避するためにも、事前に「どこまでをkintoneでやり、どこからを別システムに任せるか」を整理しておくことが有効です。 できないこと2.高度なデザインやUIカスタマイズ kintoneは操作画面のレイアウトや見た目を、細かくカスタマイズするのが苦手です。たとえば「会社ロゴを画面に表示させたい」「入力画面の順番を自由に並べ替えたい」といった要望には、JavaScriptの追加開発が必要になります。 また、請求書や報告書などの帳票出力も、細かなレイアウト調整が難しく、文字がずれたり行間が不自然になったりすることがあります。 できないこと3.大量のデータの高速処理 kintoneは数千件程度のデータであれば問題なく扱えますが、数万件以上のデータを一気に扱う業務では表示や検索に時間がかかるようになります。 こうした状況が続けば、従業員のストレスが蓄積され、仕事に対するモチベーションの低下や業務離脱を招くこともあり得ます。そのため、大量データが想定される業務では、古いデータは定期的に外部にアーカイブしたり、データを期間別に分けるなどの工夫を事前に取り入れることが必要です。 できないこと4.オフラインでの利用 kintoneはクラウドサービスであるため、インターネット接続が必須です。山間部や地下、あるいは災害時など、ネットが使えない環境で操作ができなくなります。 このリスクを避けるためには、オフライン対応の記録手段を別に用意しておくなどの備えをしておくと良いでしょう。 できないこと5.複数アプリ間の複雑な連携 kintoneはアプリ同士の連携が可能ですが、条件分岐や複雑な計算が絡むような連携は苦手です。たとえば「このアプリのデータを元に、自動で別アプリに複数のレコードを作る」などの処理は、標準機能では対応できません。 事前に、複数アプリの連携が必要な場合は、連携補助のプラグインや、必要に応じて開発会社への依頼を検討することで、仕組みを安定させることができます。 kintone導入によるメリットとデメリットとは? kintoneの導入によって得られるメリットと、生じるデメリットがあります。それぞれの内容を把握した上で、本当に導入が自社にとって有益な選択となるのか、じっくり検討しましょう。 メリット 【kintone導入で得られるメリットの例】 ・業務改善のスピードアップ ・情報共有のミスや抜け漏れが減る ・業務の全体が「見える化」される ・IT人材不足の中でも内製化できる ・少しずつ始めて柔軟に育てられる kintoneを導入することで、現場で生まれた課題にすぐに対応できるようになります。これまで、承認や情報共有が遅れることで生じる「ボトルネック業務」を、スピーディーに改善するきっかけとなるでしょう。 また、ITスキルが高くなくても自社でアプリの作成・運用ができるため、エンジニアの手が回らない中小企業でも無理なく運用できるのも魅力です。最初は小さなアプリからスタートし、業務の広がりに応じて拡張していける柔軟性も評価されています。 デメリット 【kintone導入で生じるデメリットの例】 ・業務の複雑さによっては限界を感じやすい ・設計次第で「使いづらいアプリ」になることも ・デザインや見た目にこだわる業務には不向き ・オフライン環境下では完全に機能が止まる kintoneはシンプルで直感的な操作性が魅力ですが、その反面、複雑な処理や凝った見た目を求める業務には不向きです。とくに、設計段階で目的や業務フローが不明確だと「かえって使いづらいアプリ」が生まれてしまうこともあります。 また、外回りや出張の多い業務では、ネット接続がない場所で使えないという不便さもあるため、導入前に利用シーンをしっかり洗い出しておくことが大切です。 kintone導入が向いている企業 kintoneは「現場からの改善提案が出る」「小回りの利く業務体制がある」企業に特に向いています。以下のようなケースでは、大きな効果が期待できます。 Excelや紙で業務を管理している中小企業 社内での情報管理がExcelや紙ベースで行われており、ファイル共有や進捗管理に時間がかかっている企業では、kintoneの導入により業務が格段に効率化されます。紙やファイルでは対応できなかったリアルタイム共有や履歴管理も可能になるため、情報の整合性が取りやすくなります。 現場の業務改善を急ぐ企業 「現場の困りごとを今すぐ改善したい」という状況では、kintoneのスピード感が大きな武器になります。アプリの作成や修正が社内で完結できるため、外部の開発会社を待つ必要がありません。 業務フローが頻繁に変わる企業 制度変更や組織再編などが多く、業務フローを柔軟に見直す必要がある企業では、アプリの変更が容易なkintoneは非常に使いやすいツールです。 従来のシステムでは1つ変更するだけで多大な工数がかかることもありますが、kintoneであれば設定画面から修正できるため、変更のたびにストレスがかかることもありません。 IT人材が限られている企業 「ITに詳しい人材が足りない」という企業でも、kintoneは運用がしやすい設計になっています。プログラミング知識がなくてもアプリを作れるほか、わからない部分はテンプレートやサポートページを見ながら解決できるため、IT人材が少ない企業でも有用です。 kintoneの導入が向いていない企業 一方で、業務の性質や運用環境によっては、kintoneの導入がマッチしないケースもあります。以下のような企業では、慎重な判断が必要です。 大規模で複雑な業務システムを必要とする企業 処理すべきデータが膨大で、複雑な条件分岐や自動計算が日常的に必要な業務では、kintoneではパフォーマンスが追いつかない可能性があります。 大規模で複雑な業務システムが必要な企業では、kintoneはあくまで「軽量な業務ツール」という前提で考えるのが現実的です。 紙や帳票での運用が必須な企業 業務上、帳票の出力や紙ベースでのやり取りが必要不可欠という企業では、kintone単体での対応には限界があります。 たとえば、フォーマットに厳しい提出書類や、印刷の整形が重要な業務では、希望通りの帳票が出力できないことがあります。そのため、どうしても帳票が必要な場合は、帳票作成専用ツールとの併用を前提に導入を検討する必要があります。 オフライン環境での作業が多い企業 建設現場や災害対応の現場など、インターネットにアクセスできない場所では、kintoneにアクセスできず業務が止まってしまうこともあります。このような現場で業務を行う機会の多い企業では、ローカル保存ができるアプリや、オフライン対応の業務ツールの方が適しています。 見た目や操作性に強いこだわりのある企業 操作画面のビジュアルやUIにこだわりたい場合、kintoneの標準レイアウトでは物足りなさを感じる可能性があります。kintoneで大幅なUIカスタマイズをする場合、追加開発が必要になるため、最初からデザイン自由度の高いツールを選ぶほうが効率的です。 まとめ|kintone導入で業務効率化をスピーディーに! kintoneは、業務を効率化したい企業にとって非常に柔軟で扱いやすいツールです。ただし、すべての業務に適しているわけではなく、事前に向き・不向きを見極めておくことが大切です。 この記事で紹介した内容を参考に、自社に合った活用方法を見つけてみてください。 システムキューブは、kintone導入支援を行う会社です。kintoneの導入を検討している企業様は、対面でのサポートも可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。 ご依頼主様の事業形態に合わせた、適切なkintoneの運用をご提案します。 https://www.sys-cube.co.jp/kintone 関連記事:kintoneとエクセルの違いとは?業務管理における比較と移行が必要なケースを解説 https://www.sys-cube.co.jp/contact

kintoneのAPI連携でできることとは?種類や連携方法・活用事例など

「システムが複雑で使いこなせない」 「データをまとめたいのに手作業が多くてミスが減らない」などの課題は、kintoneのAPI連携機能を活用することで解決します。 kintoneはAPI連携を行うことで使いやすさが増し、手作業の手間やミスの減少が期待できます。単なるツールとしてのkintoneから、ビジネス全体を支えるツールへと進化させるために、kintoneのAPI連携を活用しましょう。 この記事では、kintoneのAPI連携でできることや種類、連携方法や活用事例などを解説します。 システムキューブはkintone導入支援を行う会社です。kintoneのAPI連携に悩んでいる企業様は、対面でのサポートも可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。 ご依頼主様の事業形態に合わせた、適切なkintoneのAPI連携をご提案します。 システムキューブのkintone導入支援について お問合せ kintone APIとは?わかりやすく解説! kintone APIとは、kintoneが外部システムやツールと情報をやり取りするための仕組みです。わかりやすく言えば、「kintoneを他のシステムとつなぐ橋渡し」のような役割を持っています。 たとえばAPIを活用すると、kintoneに登録されたデータを他のシステムでも利用が可能です。kintoneで入力したスケジュールをGoogleカレンダーに書き込んだりchatworkに反映させたりといったことが、できるようになります。また、外部のシステムからkintoneにデータを反映させることも可能です。 このように、kintone APIを活用することで、kintoneをより効率的に使用できます。 kintone APIでできること kintoneAPIを導入することで、次のことを実現できます。 データの一元管理 外部システムとの連携 リアルタイムデータの取得 カスタムアプリケーションの開発 kintoneAPIの大きな魅力は、異なるシステムからのデータをkintoneに集約できる点です。業務全体の可視化が実現すれば、タスク管理や意思決定がスムーズになります。 また、他システムに書き込んだ内容をkintoneに反映させることも可能です。kintoneと連携されたシステムのそれぞれに書き込まれた内容は、お互いにリアルタイムで送受信します。 たとえば、「kintoneのレコードステータスが変更された際、Aさんのchatworkのタスク管理にも変更が生じる」という風に設定しておけば、Aさんが外出先にいても、chatworkを通じて業務内容に変化があったことを把握できます。業務の状況をリアルタイムで確認することで、情報伝達の遅れをなくせるでしょう。 また、技術や知識が必要ですが、kintoneAPIを活用してオリジナルのアプリケーションの開発すもできます。 このようにkintone APIを駆使することで、業務プロセスの効率化やミスの削減が実現し、生産性も向上します。 kintone APIの種類 kintone APIにはさまざまな種類があり、特徴や用途が異なります。それぞれの内容を把握し、使い分けを行うことで、kintoneの機能性をより向上させるカスタマイズが可能です。 kintone JavaScript API kintone JavaScript APIは、kintoneの画面をカスタマイズするためのAPIです。ブラウザ上で動作し、kintoneで表示されるボタンやデザインなどの見た目、機能性の向上や地図表示などを実現します。 kintone REST API kintone REST APIは、外部システムやアプリケーションとkintoneを連携するために使用されます。たとえば、他のアプリで作成したデータをkintoneに共有したり、その逆でkintoneのデータを取り出して別アプリに送信したりなどの役割を持つAPIです。kintone APIというと、こちらのkintone REST APIを想像する方が多いのではないでしょうか。 kintone APIの連携方法 kintone APIを他のツールに繋げるための連携方法は、主に次の2つです。 kintoneをカスタマイズ 外部連携サービスの活用 それぞれの内容を見ていきましょう。 kintoneをカスタマイズ kintone REST APIをカスタマイズすることで、他ツールと連携させることが可能です。「自社の業務に特化した内容のシステムを構築したい」「ピンポイントで解決しないとならない課題がある」などの場合に有効な方法です。 ただし、kintone REST APIの活用には、プログラミングの知識が必要になります。独自性のあるカスタマイズが必要でありながらも、プログラミング言語を理解できる社員がいない場合は、外部のプロに依頼したほうが安心です。 また、kintoneの開発会社である「cybozu」では、kintoneをカスタマイズするエンジニア向けに、「kintone API ドキュメント」を公開しています。自社でカスタマイズを行う場合は、このドキュメントを確認しながら進めることをおすすめします。 外部連携サービスの活用 kintone REST APIのカスタマイズができない場合は、既存の外部連携サービスを使い、kintone APIを連携するのも良い方法です。 たとえば、kintoneの外部連携サービスである「Zapier(ザピア)」を使用すれば、GoogleスプレッドシートやSlackなどとkintoneを連携できます。その他にも、「IFTTT(イフト)」を活用すれば、LINEで受け取ったメッセージをkintoneに記録することも可能です。 このように目的に合わせて外部連携サービスを活用することで、kintone REST APIのカスタマイズができなくてもkintoneと他ツールの連携がかないます。 kintoneの機能性を手軽に高めたい場合に、有効な方法です。 kintone APIで連携できるサービスの一覧 kintone APIで連携できるサービスは数多くあります。その中でも、ビジネスシーンで活躍する機会の多いサービスは、以下の通りです。 Google製品全般 LINE Microsoft Office製品全般 ChatGPT 上記以外にも、kintone APIで連携できるサービスは数多くあります。kintoneの公式サイトで連携先のサービス一覧と、そのサービスとkintoneをつなぐ際に活用できる外部連携サービスを公開していますので、ぜひ参考にしてみてください。 kintone公式|プラグイン・連携サービス kintoneのAPI連携を行う際、どの連携サービスが自社にとって適切なのか、迷うこともあるでしょう。 これまでのkintoneの導入支援で培った技術と豊富な知識を基に、システムキューブでは企業様に合う連携サービスの提案も行っております。 kintoneのAPI連携でお悩みの企業様は、どうぞお気軽にご相談ください。導入まで一貫してサポートいたします。 システムキューブのkintone導入支援について お問合せ kintone APIの活用事例 kintone APIを活用することで、日々の業務が効率化し、データ管理や作業負担の軽減が実現します。ここでは、実際に多くの企業のkintoneAPIの活用事例をご紹介します。 請求書自動作成 kintone APIの活用方法として、請求書の作成作業の自動化が挙げられます。 たとえば、受注管理アプリとkintoneをAPI連携することで、kintoneが受注管理アプリに書き込まれたデータを読み取り、請求書を自動生成します。システムの内容によっては、そのまま取引先にメール送信する仕組みを構築できます。 請求業務の効率が大幅に向上することで、月末の事務作業の負担が軽減でき、入金遅れや金額表示のミスの削減も期待できます。 名刺管理の効率化 名刺管理サービスとkintoneを連携することで、効率的な名刺管理が実現します。 名詞の数が増えてくると、管理負担も増していきます。顧客の連絡先や部署名などがすぐに出てこないことで、業務に滞りが生じることもあるでしょう。また、名刺管理サービスで名刺の内容を確認しながら、別のソフトで書類を作成することに、手間を感じるケースもあるかもしれません。 名刺管理サービスとkintoneを連携することで、名刺データを一元管理することができ、営業チーム全体での顧客情報の共有や検索などもスムーズになります。さらに、名刺の内容をkintoneシステムに反映すれば、業務効率も向上します。 タスク管理ツールの連携 AsanaやTrelloなどのタスク管理ツールとも、kintone APIを通じて連携が可能です。 たとえばkintoneに新しいタスクが登録された際、自動的にAsanaに通知を送る仕組みを構築することで、各チームメンバーにタスクの内容や期限などの共有がリアルタイムで行えます。 また、タスクの進捗状況をkintoneとタスク管理ツールの両方で一元管理することで、kintoneを使用する機会の少ない従業員であっても、現状のタスクの状況把握やスケジューリングの構築などの効率化がかないます。 kintone APIを活用する際の注意点 kintone APIを使うことで、kintoneとさまざまなシステムの連携ができます。しかし安全に正しくkintoneを使用するためには、注意するべき点があります。 APIトークンの取り扱いは厳重に行う APIトークンは、kintoneと外部ツールをつなぐ際に発行される「鍵」のようなものです。この鍵となるAPIトークンが第三者に知られることで、データを不正に改ざんされたり、社外秘のデータにアクセスされたりといった被害が生じる可能性があります。 外部によるシステムの侵入は企業にとって大きなダメージとなります。APIトークンを発行する際は、取り扱いに注意してください。 レコード件数・リクエスト数・接続数に注意する kintone APIを使用する際、レコード件数やリクエスト数、接続数には上限が設けられています。 これらの上限に達するとエラーが表示されたり、動作に遅れが生じたりする可能性があります。レコード数やリクエスト数、接続数はプランや条件によって異なる場合もあるため、kintoneの導入時や外部システム連携時に確認しておくことが大切です。 まとめ|kintone APIを活用して業務の効率化を実現 kintone APIを活用することで、業務プロセスの効率化やミスの削減、データ管理の一元化などが実現できます。企業の生産性や効率化の実現を検討してる方は、kintone APIをぜひ活用してみてください。 APIの活用には初期設定や技術的なノウハウが求められる場面もあります。知識を持たずに導入を行った結果、トラブルが生じたり課題を根本から解決できなかったりする可能性も考えられます。 システムキューブでは、kintoneの導入からカスタマイズ、連携までをトータルでサポートいたします。お客様の業務に合わせた最適な設定をご提案し、kintoneの魅力を最大限に引き出すお手伝いが可能です。 詳しくはシステムキューブのkintone導入支援サービスをご覧いただき、お気軽にお問い合わせください。kintoneを活用した業務改善の第一歩を、私たちと一緒に始めてみませんか? お問合せ