kintoneコラム

「kintoneが使いにくい」は使い方の問題?それともツールの限界?

kintoneについて調べると、「簡単に業務アプリを作れる」「現場でも使いやすい」といった評価をよく目にします。

一方で、実際に利用している企業からは、

「思ったより使いにくい」

「結局Excelも併用している」

「アプリが増えて分かりにくくなった」

といった声を聞くこともあります。

では、kintoneが使いにくいと感じるのは、使い方の問題なのでしょうか。それとも、kintoneというツール自体に限界があるのでしょうか。

システム会社の立場から見ると、原因は大きく3つに分けて考えると分かりやすいと思います。

「設計の問題」「運用の問題」「そもそも業務との相性の問題」です。

アプリを作れることと、使いやすいことは別

kintoneは、専門的なプログラミングをしなくても比較的簡単に業務アプリを作れることが大きな特徴です。

ただし、

作れることと、使いやすく作れることは同じではありません。

例えば、担当者から要望された項目をすべて追加した結果、入力項目が何十個も並んでしまう。

必要になるたびにアプリを増やした結果、似たような情報が複数のアプリに分散してしまう。

こうなると、利用者は、

「どこに入力すればいいのか」

「どの情報が最新なのか」

が分かりにくくなります。

これはkintoneそのものの問題というより、設計の問題です。

実際、サイボウズ社が紹介している事例の中にも、利用を続ける中でフィールド数が非常に多くなり、再設計によって改善したケースがあります。

簡単に項目やアプリを追加できるからこそ、定期的に全体を見直すことが重要です。

Excelに慣れていると「使いにくい」と感じることもある

もう一つ多いのが、これまで使っていたExcelとの操作感の違いです。

Excelであれば、

一覧を見ながら直接編集する。

複数行をまとめて変更する。

コピー&ペーストする。

自由に列を追加する。

といった操作ができます。

長年Excelで仕事をしてきた人にとっては、kintoneの操作方法に違和感を持つこともあります。

サイボウズ社が公開している事例でも、利用者から「kintoneは使いにくい」という声が出たものの、その背景にExcelとの見た目や操作方法の違いがあり、改善によって利用が進んだケースが紹介されています。

つまり、

「慣れていない」と「ツールとして使いにくい」は分けて考える必要があります。

ただし、何か月使っても現場から「入力が面倒」「Excelの方が早い」という声が出続けているのであれば、単純に「慣れてください」で終わらせるべきではありません。

Excelとの二重管理が残っているなら理由を確認する

kintoneを導入した後もExcelが残っている会社は珍しくありません。

Excelを使っていること自体が問題なのではありません。

集計や試算など、Excelの方が適している仕事もあります。

問題なのは、

同じ情報をkintoneとExcelの両方で管理している状態

です。

なぜExcelが残っているのか。

kintoneでは入力しにくいのか。

一覧性が足りないのか。

帳票や集計が必要なのか。

現場がkintoneの情報だけでは仕事を完結できないのか。

この理由を調べると、「使いにくい」の正体が見えてくることがあります。

Excelを禁止する前に、

なぜ利用者がExcelへ戻ってしまうのか

を確認することが重要です。

それでも使いにくいなら、業務との相性を考える

設計や運用を見直しても使いにくさが残る場合は、

そもそも、その業務がkintoneに向いているのか

を考える必要があります。

どんなシステムにも得意なことと不得意なことがあります。

kintoneは、顧客管理や案件管理、問い合わせ管理、申請業務など、情報を共有しながら柔軟に改善していく業務では非常に使いやすいツールです。

一方で、

複雑な業務ロジックがある。

大量のデータを高速に処理したい。

画面操作を細かく最適化したい。

多数の外部システムと密接に連携したい。

といった要件では、専用システムの方が適しているケースもあります。

このとき重要なのは、

「どうすればkintoneで実現できるか」

だけを考え続けないことです。

「そもそもkintoneで実現することが最適なのか」

という視点も必要です。

「使いにくい」の原因は3つに分けて考える

現場から「kintoneが使いにくい」と言われた場合、私は次の3つに分けて考えるのがよいと思います。

1.設計の問題

入力項目が多すぎる。

アプリが増えすぎている。

同じ情報を複数箇所に入力している。

この場合は、kintoneのアプリ構成やデータ設計を見直すことで改善できる可能性があります。

2.運用の問題

使い方が社内で統一されていない。

アプリの目的が十分に伝わっていない。

従来のExcelとの違いに慣れていない。

この場合は、運用ルールや教育の見直しが有効です。

3.業務との相性の問題

改善を重ねても複雑になる。

独自の処理が多い。

外部連携が増え続けている。

この場合は、一部の業務を別システムへ切り出す方法も検討した方がよいでしょう。

この3つを区別せず、

「kintoneが悪い」

あるいは、

「利用者が使いこなせていない」

と決めつけてしまうと、本当の問題を見落としてしまいます。

kintoneを使い続けるためにも「向いていない業務」を見極める

kintoneを長く活用するために、すべての業務をkintoneに集約する必要はありません。

例えば、

顧客管理や案件管理はkintone。

複雑な販売管理は専用システム。

必要な情報だけを連携する。

という構成も考えられます。

もちろん、現在のkintoneを整理するだけで十分改善する場合もあります。

大切なのは、

kintoneを使い続けるか、やめるかという二択で考えないことです。

今のkintoneを改善する。

運用を見直す。

一部だけ別システムにする。

必要であれば移行する。

業務ごとに最も適した方法を選ぶ方が、長期的には使いやすいシステムにつながります。

「kintoneが使いにくい」という現場の声は、必ずしもkintoneをやめるべきサインではありません。

しかし、

現在のアプリ設計や運用、そしてkintoneと業務との相性を一度見直した方がよいサイン

である可能性はあります。

システムキューブでは、kintoneの開発・カスタマイズだけでなく、.NETなどを利用した業務システムの開発にも対応しています。

そのため、kintoneを使うことを前提にするのではなく、

その業務にとって何が最も使いやすく、保守しやすいのか

という視点から考えることを大切にしています。

システム開発・ホームページ制作会社|株式会社システムキューブ