- プログラミングスクール
プログラミングスクールは子供に必要?現役IT企業が本音で解説
「プログラミングが必修化された」「将来はITの時代になる」そんな言葉を目にするたびに、「今のうちにプログラミングスクールに通わせた方がいいのでは?」と感じたことはないでしょうか。 一方で、「本当に必要なのか分からない」「高いお金を払って無駄にならないか不安」「周りに遅れを取らせたくないだけかもしれない」と迷っている親御さんも多いはずです。 実際、プログラミング必修化=スクール必須というわけではありません。私たちはIT・システム開発を本業とする企業として、これまで多くの“学んだ後”の現場を見てきました。 本記事では、「通わせた方がいいかどうか」をすぐに結論づけるのではなく、どんな子に必要で、どんな子には不要なのかを、現場視点から整理していきます。 そもそも、なぜ「子供のプログラミング」が注目されているのか ここ数年、「子供のプログラミング教育」が強く注目されるようになった背景には、小学校でのプログラミング教育必修化や、AI・IT技術の急速な発展があります。ニュースや学校からの説明を通じて、「将来はITの時代だから」「プログラミングができると有利になる」といったイメージを持つ親御さんも多いでしょう。 ただ、ITの現場に身を置いている立場から見ると、この“注目のされ方”には少しズレも感じています。 まず知っておきたいのは、学校教育におけるプログラミングの目的は、「プログラマーを育てること」ではないという点です。実際、学校で行われているプログラミング教育の多くは、コードを書くことそのものよりも、「順序立てて考える力」「原因と結果を結びつける力」「試行錯誤する姿勢」を育てることに重点が置かれています。 つまり、ここで求められているのは、技術としてのプログラミングスキルではなく、考え方のトレーニングです。 一方で、世の中では「必修化=将来はプログラミングができないと困る」「早くから専門的に学ばせた方が有利」といったメッセージだけが強調されがちです。その結果、本来の目的が十分に共有されないまま、「とりあえずスクールに通わせた方がいいのでは」という判断につながってしまうケースも少なくありません。 ITの現場では、早い段階からコードを書ける人が、必ずしも長く活躍しているわけではありません。実際には、・なぜその処理になるのかを考えられるか・うまくいかない状況で立ち止まらずに試せるか・分からないことを自分で調べ、整理できるかといった力の方が、はるかに重要です。 こうした力は、必ずしもプログラミングスクールに通うことでしか身につかないものではありません。むしろ、目的を理解しないまま専門的な学習を始めてしまうと、「よく分からない」「難しい」という印象だけが残り、学ぶこと自体を嫌いになってしまう可能性もあります。 だからこそ、「子供のプログラミング」が注目されている今こそ、なぜ学ばせるのか、何を身につけてほしいのかを、一度立ち止まって整理することが大切です。 プログラミングスクールは、すべての子供に必要なわけではありません 最初にお伝えしたいのは、プログラミングスクールは、すべての子供にとって必須ではないということです。これは、IT・システム開発の現場を長く見てきた立場からの実感でもあります。 多くの親御さんが感じている不安は、「通わせなかったことで将来不利にならないか」「周りの子に遅れを取らないか」といった点ではないでしょうか。しかし、ITの現場で評価されるのは、**“早く始めたかどうか”ではなく、“どう考えられるか”**です。 実際の仕事では、決められた手順をなぞるだけでは通用しません。なぜそうなるのかを考え、条件が変われば考え直す。こうした力が、長く求められ続けます。 この前提を踏まえると、プログラミングスクールが向いている子供には、一定の傾向があります。 スクールが向いている子供の例 うまくいかなくても試行錯誤を続けられる 正解をすぐに教えられるより、自分で考える方が楽しい 仕組みや理由に興味を持つ こうした子供にとって、プログラミングは「勉強」ではなく、考えることを楽しむ体験になります。 一方で、今はスクールが合わない子供もいます。 無理に通わせない方がよいケース 長時間集中すること自体が大きな負担になる 失敗すると強いストレスを感じやすい 本人がまったく興味を示していない この状態で通わせてしまうと、「分からない」「できない」という体験が先に積み重なり、プログラミングそのものに苦手意識を持ってしまうことがあります。 また注意したいのが、「何か学ばせなければ」という親の不安が先行してしまうことです。周囲と比べて焦った結果、子供にとっては「やらされている習い事」になってしまうケースも少なくありません。 ITの現場で長く活躍している人ほど、分からないことに向き合い続ける力や、自分で調べ、考え、試す姿勢を大切にしています。これらは、必ずしもプログラミングスクールに通わなければ身につくものではありません。 大切なのは、**「スクールに通わせるかどうか」ではなく、「今、その子にどんな経験が必要か」**を見極めることです。 年齢別に見る、プログラミングスクールの向き・不向き 「何歳から始めるのが正解なのか」は、多くの親御さんが悩むポイントです。ただし、年齢だけで向き・不向きが決まるわけではありません。大切なのは、その年齢でどんな力が育ちやすいかを理解することです。 小学生低学年(1〜3年生) この時期は、集中力や理解力に個人差が大きく、スクールに通うこと自体が負担になる子供も少なくありません。 向いているケース パズルやブロック遊びが好き 試しながら考えることを楽しめる 無理に通わせない方がよいケース 長時間座るのが苦手 失敗すると気持ちの切り替えが難しい この年代では、スクールよりも遊びや体験を通じて考えることを楽しむ経験が優先される場合も多いでしょう。 小学生高学年(4〜6年生) 論理的に考える力が育ち始め、プログラミングに取り組みやすくなる時期です。 向いているケース 自分で試して改善することに抵抗がない ゲームや仕組みに興味を示している 注意したいケース 本人に興味がないまま始める 他の習い事や学校生活で余裕がない 「周りが始めたから」という理由だけで決めず、本人の関心を確認することが大切です。 中学生 理解力が高まり、より具体的な内容にも取り組める年代です。この時期は、本人の意思があるかどうかが最も重要になります。 向いているケース 作りたいものや知りたい仕組みがある 自分で学ぶ意欲が出てきている 慎重に考えたいケース 勉強や部活動で余裕がない 明確な目的がないまま通う 「今すぐ始めるべきか」ではなく、**「今の本人に合っているか」**を基準に考えましょう。 現役IT企業から見た「良い子供向けプログラミングスクール」の条件 子供向けプログラミングスクールを選ぶ際、料金や教材に目が行きがちですが、ITの現場から見ると、本当に重要なのは別のポイントです。 まず重視したいのは、「何を教えるか」よりも「どう考えさせるか」。プログラミングは正解を暗記する勉強ではありません。試す→失敗する→理由を考える→直す、という過程を楽しめるかどうかが、学びの質を左右します。 そのため、良いスクールほど すぐに答えを教えない 子供の考えを言葉にさせる 失敗を前向きに扱うといった指導をしています。考える時間が確保されているかは、必ず確認したい点です。 ここで、現場で実際に感じることを一つ挙げます。私たちの仕事では、「スクールで学んできた」という若い人のコードを見る機会があります。その中には、動くものは作れていても、「なぜこの処理になるのか」を説明できず、条件が少し変わると手が止まってしまうケースもあります。一方で、遠回りでも自分で考えた経験がある人ほど、問題が起きても落ち着いて原因を探し、修正できる傾向があります。 この違いを生むのが、考える余地のある学び方かどうかです。子供向けスクールでも同じで、「楽しいだけ」「言われた通りに進めるだけ」になっていないかは重要な判断材料になります。 また、良いスクールほど「将来エンジニアになれる」「仕事に直結する」といった言葉を強く打ち出しません。子供の成長段階を理解しているからこそ、過度な期待を持たせない説明をしています。 最後に確認したいのが、「向いていない場合」をきちんと伝えてくれるかどうかです。体験授業の段階で「今は合わないかもしれません」「もう少し様子を見てもいいと思います」といった説明があるスクールは、信頼できる可能性が高いと言えるでしょう。 プログラミングスクール選びで大切なのは、有名かどうかではなく、その子が考えることを楽しめる環境かどうかを冷静に見極めることです。 プログラミングスクールに通う前に、家庭でできること プログラミングに興味があるかどうかは、実際に少し触れてみないと分からないことも多いものです。そのため、いきなりスクールに通わせる前に、家庭でできる小さな取り組みから始めてみるのがおすすめです。 まず意識したいのは、「教えること」よりも一緒に考えること。親が正解を示すのではなく、「どうすればうまくいくと思う?」「さっきと何が違ったかな?」と声をかけるだけでも、考える力は育ちます。 次に、無料や低コストで試せる教材を活用する方法があります。ブロックを組み合わせて動かすタイプの教材や、ゲーム感覚で取り組めるサービスであれば、「向いているかどうか」を無理なく見極めることができます。 ここで大切なのは、上手にできるかどうかではなく、うまくいかない場面でどんな反応をするかを見ることです。失敗しても工夫しようとするのか、すぐに諦めてしまうのかは、判断材料になります。 また、親が気をつけたいのが、結果を急ぎすぎないことです。「早くできるようになってほしい」「形になるものを作らせたい」という気持ちが強くなると、子供にとってはプレッシャーになってしまいます。 家庭での取り組みは、“続けられるか”“楽しめるか”を見るための時間だと考えてください。そのうえで、「もっとやってみたい」「分からないところを教えてほしい」といった声が出てきたタイミングで、スクールを検討しても遅くはありません。 それでもプログラミングスクールを検討するなら、ここだけは確認してください プログラミングスクールを検討する段階になったら、「どこが一番人気か」や「料金が安いか」だけで判断するのは避けたいところです。子供向けスクールの場合、合う・合わないの差が特に大きいからです。 まず確認したいのが、体験授業の内容と進め方です。体験の場で、・講師がすぐに答えを教えていないか・子供に考える時間が与えられているか・「なぜそうなるのか」を問いかけているかといった点を見てみてください。短時間でも、スクールの考え方は表れます。 次に、カリキュラムの説明のされ方にも注目しましょう。「どんな教材を使うか」よりも、**「その学びを通じて何を身につけてほしいのか」**が分かりやすく説明されているかどうかが大切です。 また、契約前には、合わなかった場合の対応についても確認しておくと安心です。途中でやめたくなったときの対応や、学習ペースを調整できるかどうかは、親子双方の負担を減らすポイントになります。 最後に意識したいのが、スクール側が過度な期待をあおっていないかという点です。「将来に直結する」「今やらないと遅れる」といった表現が強すぎる場合は、一度立ち止まって考える余地があります。 プログラミングスクール選びは、早く決めることよりも、納得して選ぶことが大切です。少しでも違和感があれば、無理に決断する必要はありません。 よくある質問(親が不安に思うこと) Q1. 将来エンジニアにならなくても、プログラミングスクールに通う意味はありますか? あります。ただし、目的は「技術習得」ではありません。子供向けプログラミングスクールの価値は、論理的に考える力や、試行錯誤する姿勢を体験できる点にあります。将来エンジニアにならなくても、考え方や学び方の土台として役立つことは十分にあります。 Q2. 女の子でもプログラミングに向いていますか? 性別による向き・不向きはほとんどありません。実際に大切なのは、・考えることを楽しめるか・自分で試すことに抵抗がないかといった点です。女の子だから向いていない、という心配は不要です。 Q3. パソコンが苦手な子でも大丈夫でしょうか? 最初からパソコン操作に慣れている必要はありません。多くの子供向けスクールは、直感的に操作できる教材から始めるため、少しずつ慣れていくことができます。大切なのは、操作の上手さよりも、分からないことに向き合えるかどうかです。 Q4. 習い事が多く、時間的に余裕がありません。それでも通わせた方がいいですか? 無理に通わせる必要はありません。プログラミングは、短期間で成果を出すものではなく、余裕を持って取り組める環境の方が効果が出やすい分野です。今はタイミングではないと感じた場合は、家庭での取り組みや様子見でも十分です。 Q5. どれくらい続ければ意味があるのでしょうか? 「◯か月続ければ成果が出る」という明確な基準はありません。重要なのは、・続けたい気持ちがあるか・考えることを楽しめているかです。短期間でやめてしまっても、その経験自体が無駄になるわけではありません。 Q6. 途中でやめたくなった場合、無駄になりませんか? 無駄になるとは限りません。「合わなかった」「今は違った」と気づくことも、子供にとっては大切な経験です。続けることよりも、合っているかどうかを見極めることを重視しましょう。 Q7. いつから始めるのが一番良いのでしょうか? 年齢よりも、興味を持ったタイミングを大切にしてください。「やってみたい」と感じたときが、始め時になるケースが多いです。 プログラミングスクールは「必要かどうか」を見極めて選ぶもの 子供向けプログラミングスクールは、「必修化されたから通わせるもの」でも、「早く始めた方が有利なもの」でもありません。 本記事で見てきたように、大切なのはその子にとって今、本当に必要な経験かどうかを見極めることです。 考えることを楽しめる子供にとっては、プログラミングスクールが良い刺激になり、試行錯誤する力や集中力を伸ばすきっかけになることもあります。一方で、興味や余裕がない状態で無理に通わせてしまうと、かえって苦手意識を持たせてしまう可能性もあります。 ITの現場で求められるのは、早くから専門的な知識を持っていることよりも、分からないことに向き合い、考え続ける姿勢です。これは、スクールだけで身につくものではありません。 だからこそ、いきなり決断する必要はありません。家庭で少し触れてみる、体験授業で様子を見る、子供の反応を観察する。そうした小さな積み重ねの中で、「今がそのタイミングかどうか」を判断すれば十分です。 プログラミングスクールは、通わせること自体が目的ではなく、子供の成長にとって意味のある選択かどうかがすべてです。焦らず、比べすぎず、その子に合った形を選んでいきましょう。 https://www.sys-cube.co.jp/media/programmingschool-osusume