Google Readerから考えるRSS
Google Readerから考えるRSS
Googleが2013年7月にブラウザベースのRSSリーダーであるGoogle Readerを終了すると発表しました。 RSSリーダーを使っている方には、かなりシェアがあったようで、不便になる、移行先がすぐに見つからないという意見がネットで多く見られました。 RSSとは一体何かご存じない方も結構いらっしゃると思いますので、簡単な説明をしてみたいと思います。 RSSってなんですか RSSはWebサイトから、記事内容だけを取り出したもので、サイトサマリーと呼ばれます。 個別の記事についてはフィードと呼ばれ、RSSリーダーはWebサイトからRSSフィードを取得して、新しい更新があれば、新着記事として表示します。 この仕組みができてから、Webサイトの更新を素早くキャッチする方法ができて、Webが便利になりました。 登録しておいたサイトのHTMLが更新されているかをチェックするアプリなどもありましたが、それに比べてもよほどスマートな方法です。 しかし、あらゆるWebサイトがこのRSSフィードを持っているわけではありません。 CMS(コンテンツ管理システム、いわゆるブログエンジンなど)、とくにMovable Type(ムーバブルタイプ)が流行するようになってから、その存在は取り上げられるようになりました。 Movable TypeはXMLというデータ形式を利用した、RSS、トラックバック、XML-RPCなどを標準的な機能として備えていることが新しく、売りの一つでありました。 Movable TypeがRSSを実装してから、個人や企業のBlogの更新チェックをRSSを用いて行えるようになり、CMSの利用でそれまでのWEBページよりもハイペースで更新できることとあわせて、RSSは広く使われるようになりました。 Movable Type以降、各種ブログサービスや、WordpressなどもMovable Typeをならうことが当然のようになり、RSSは様々な場面で使われるようになりました。 個々のパソコンに、RSSリーダーをインストールするよりも、GoogleReaderのようなオンラインのリーダーを利用することで、未読記事管理などを一元化して行うことができたので、完成度の高いGoogleReaderに人気が集まりました。 Google Readerが終了する訳 Google Readerが終了する理由として、利用者の減少をGoogleはあげていますが、理由はそれだけではないと感じます。 一番はGoogleとしてもRSSリーダーで収益性をあげるのは難しいという点でしょう。 RSSは簡単にいえばサイトの要約です。 Webサイトから装飾や、見栄えなどテーマ、サイドバーなど固定要素を取り払い、内容だけ取り出したものです。 RSSフィードに記事の内容すべてを出力するように設定しておけば、個別にWebサイトに訪れることなく、RSSリーダー内で記事をすべて読んでしまうことができます。 その際、読者の目線から取り除かれるのは、テーマだけではありません。バナーやテキストの広告も当然のように取り除かれます。 そのため、ブログサービスなどで、RSSに広告を混ぜるということを行うものもあります。 RSSでサイトの情報を得たい人にとって、RSS広告ほど邪魔なものはありません。 更新情報と思って開いてみれば、ただの広告があがっているだけということになります。 広告を見て、クリックしてくれる読者と、RSSリーダーで情報収集をすませてしまう読者とは、完全に別の層です。 広告業者としてGoogleをみる場合、どちらを優先すべきかは、言うまでもないことでしょう。 RSSは使われなくなるのか 一部サイトのRSSに広告が載るようになって、筆者としてはRSSの人間向けの役目としては、ほぼ終わってしまった印象を受けました。 シンプルな情報収集手段の中に、冗長な広告が挟まってしまうようでは、何の意味もありません。 RSSは簡単に新着情報と記事内容を手に入れる方法ですが、それは人間のためだけではありません。 RSSを利用して、ブログ間で更新情報を共有したり、ブログのサイドバーなどにニュースサイトの新着記事を載せることができます。 機械が読むためにはHTMLは冗長ですので、XMLデータ形式を利用したRSSはサイト間の連携などに多く使われています。 TwitterもRSSをごく最近まで取得できるようになっていて、ブログなどと連携できたり、FacebookのウォールにRSS情報を連携させ、Blogを更新すると、Facebookにも自動的に更新するような仕組みのFacebookアプリもあります。 RSSは効率よく情報を収集するためのものとして、これからもGoogle Reader以外の様々な方法で利用されていくものと思います。 またWEBサイト間の効率の良い情報交換の仕組みとして、今後も廃れることなく使われていくでしょう。