お知らせ

  • パソコン関連

Amazon Athena

noimage

Amazon Athena

Amazonが12月1日の新サービス発表イベントの一つにAmazon Athenaを発表しました。 Amazon AthenaはAmazon独自のデータベースサービスです。クラウドストレージS3上にあるテキストで構成されたデータに、直接クエリを発行し結果を得られます。 CSVやjson形式など一般に用いられるプレーンなテキストファイルをデータとして読み込み、標準的なSQLを発行することによって結果を得ることができます。 S3をデータ保管場所とし、AmazonのクラウドをRDBとしてそのデータセンターのもつ処理速度や安価なストレージを活用できるものです。 利用料としてはデータの処理量となっています。公式では1TBのスキャンにつき5ドルということです。結果が1TBではなくクエリによる1TBのテーブル走査あたりでということのようです。 規模の大きいテーブル同士を結合した場合など、スキャンの単位が大きくなります。扱うデータ量と回数によってはそれなりの金額になることが予想されます。 このサービス内容で大量のテキストデータをS3に移行すれば、別途データベースエンジンを用いず、すぐにデータの解析などが可能になります。 もちろんJDBCなどを介しアプリケーションや他のRDBとの連携も可能です。 テキストデータからすぐにデータベースの取り扱いができると、サーバログやその他ログデータなどから素早くデータを取り出すことができます。 ギガバイト以上規模を持つデータの解析などでも、オンプレミスに高度な設備を持つことなくクラウドでの処理が可能になり、設備などのコストを削減することもできるかもしれません。 同様のサービスとして先発のGoogle BigQueryなどがあります。クラウドコンピューティングの大容量、高速処理などを様々な形で提供するサービスが競争と共に生まれていきます。

  • パソコン関連

Adobe製品ラインをCreativeCloudに一本化へ

noimage

Adobe製品ラインをCreativeCloudに一本化へ

AdobeがCreativeSuiteの新規製品投入をやめ、CreativeCloudによるサブスクリプション(購読)形式への一本化を行うことを発表しました。 これにより、パッケージでCreativeSuiteを購入することはできなくなりますが、月額で使用料を支払えば、常に最新バージョンのPhotoshopやIllustratorを利用することができるようになります。 製品バージョンアップというモデル 商用ソフトウェアが発表されると、マイナーバージョンアップという小規模なバージョンアップや、バグの修正を行いつつ、次のメジャーバージョンに開発資源を投入していくという形がとられていました。 WindowsなどのOSをはじめ、さまざまなソフトウェアがこのモデルをとっています。 定期的なバージョンアップを行うと、すべて最新のバージョンを追いかけるユーザーと、現行十分な機能を持つ旧バージョンを保持するユーザーに分かれます。 Windows8が発売された現在も、WindowsXPを安定したバージョンとして使い続けている方が多くいらっしゃるのと同じ構図です。 ですので開発にかけた資源がすべて利益として見込めるわけではありません。その分、一つ一つのパッケージ価格に上乗せするという必要があります。 すべてのユーザーが同時期に更新するという見込みがあれば、パッケージ価格もそれなりに抑えることもできるでしょうが、とくにCreativeSuiteのような高額なパッケージの場合、買い控えを行うユーザーもかなりの割合でいました。 そういった点で購読モデルをとれば、買い控えということは発生しないのでメーカーとしても開発費用を回収する見積もりがしやすくなります。 こういった方向性への模索は、さまざまなソフトウェアメーカーで行われていますが、主力商品をすべて購読制にしたAdobeはかなり先鋭的な方針を示したといえます。 購読制にすることによるメリット アプリストア登場以来、プロダクトキーやシリアル番号によるライセンス管理という方法は時代遅れとなりつつあります。 メールやストアアカウントに紐づいたライセンス管理は普及しつつあり、Office2013でもMicrosoftアカウントのメールアドレスによるアクティベーションが可能となっています。 先日、AdobeCreativeSuite2のアクティベーションサーバーの停止に伴う、無償化というデマが流布したこともあります 過去記事:Adobe Creative Suite2について https://www.sys-cube.co.jp/blog/1719.html この一件で驚いたのは、CreativeSuite2のアクティベーションサーバーにコストを割き続けていたということです。 確かに一度作りこんでしまえば、あとは運用だけかもしれませんが、電力、機材更新、障害対応人員など、コストなしで運用できるものではありません。 このサーバーがなくなっていまうと、動作しない仕様のソフトウェアであれば、バージョンごとにサーバーを運用し続けなければならなくなり、それだけ維持コストが必要となります。 購読制であれば、このアクティベーションの仕組みも一元化でき、また現在課金中のアカウントでなければアクティベーションできない、という形のほうが運用も楽になります。 高額なソフトウェアであれば、不正なシリアルや、ライセンス条項に反した譲渡や再販などが付きまといますが、これらを排除できることは大きなメリットでしょう。 開発資源の分散 もう一つの要素として挙げられるのは、ソフトウェア産業はスマートデバイスへの対応も現在見出していかねばならない一つの課題である、ということでしょう スマートフォンやタブレットは、フルセットのCreativeSuiteを動かすためにはパフォーマンス不足ではありますが、ユーザー数の多さにおいては無視できない存在になっています。 パソコンにおいてデファクトスタンダードとなっているAdobeのツールも、スマートデバイスでも確実に業界標準を握れる、という世界ではありません。 逆に出遅れてしまうことで、スマートデバイス主導で出てきた同ジャンルのアプリが、パソコンのほうでもシェアを伸ばしていくという可能性さえあります。 現在技術やノウハウにおいて、一歩ぬきんでている状態で、スマートデバイス市場への参入を行えば、後発勢と差をつけた状態で事業を始めることができます。 そのようなタブレット、スマートフォンの市場がCreativeSuiteのようなソフトウェアを求めているかどうかの答えが見えるのは、まだまだ先になると考えますが、Adobeとしても抑えておくべきポイントと考えているようです。 実際にCreativeCloudには、Photoshop TouchなどのiPadアプリとの連携という機能も備えています。 Adobeもこれからの市場、タブレットなどにおいての基盤を確かにしていくためには、製品ラインの統合と合理化を進める理由があったのではないかと考えます。 ユーザーとしての受け止め方 月額制となっていますが、おそらくCreativeSuiteを、使いたい月だけ使う、という使い方を望まれているユーザーは少ないと思います。 アマチュア向けの価格としてはかなり高価ですので、業務用途がシェアのほとんどでしょうし、業務用途であれば、常に手元になければ使えない、ということになります。 一ライセンス年間6万円~が安価かどうか、という見方は、利用頻度によってまちまちだと思います。 かつては20万円からの1パッケージを購入すれば、OSやパソコンが対応している限り、5年でも10年でも使えたという感覚でいくと、確実に高くなっていると言えるかもしれません。 パッケージが手元に残らない、という形に不安を抱かれるユーザーも多くいらっしゃるでしょう。 ソフトウェアはパッケージでなく、利用権を買うだけ、という形は、旧来のユーザーほど不満があるでしょうが、現在の各アプリストアではその方式をとっています。 筆者としては、逆にこの販売方式になることで、Adobe CreativeSuiteの費用対効果が明らかになったと考えています。 簡単に言えば、年間6万円の価値があるかどうか、という判断で使う使わないを判断できるのではないでしょうか。 とりあえずAdobeにしておけば大丈夫、というアバウトな感覚よりも、コスト感がつかみやすいと感じています。 PhotoshopやIllustratorについ ては、単体製品の購読という形も取られるようですので、より一層わかりやすくなると考えています。 メジャーバージョンアップに備えて予算を組む必要があった現在よりも、より見通しを立てやすいというところがありますが、それは導入規模等によっても意見が分かれるところかもしれません。 大規模導入が必要な場合は、必要台数だけ最新、その他は旧バージョンを維持など、段階的にバージョンアップしていけましたが、購読制であれば、バージョンアップ費込の月額料金を支払う必要があります。 このAdobeのCreativeCloudへの一本化がどうユーザーに捉えられるのか、今後のソフトウェア業界の一つの指針となるのではないでしょうか。