Microsoftのモバイル戦略

Microsoft社がスマートフォン、タブレット向けのマルチプラットフォーム開発ツールXamarinを無償公開しました。

マルチプラットフォーム開発は、iOSやAndroidなど複数あるプラットフォームどちらでもソースコードを共有してアプリを開発することを指します。

iOSアプリを開発する場合は、Mac上のX Codeを利用してObjective-Cで開発をする、Androidの場合はAndroid Studioを利用してJAVAで開発するなど、それぞれのプラットフォームに応じた開発環境を用意する必要がありました。

Xamarinはプラットフォームの差異を吸収し、主にパソコン用のソフトウェア開発に利用されるC#と.Netフレームワークを利用してアプリの開発ができます。

他にもマルチプラットフォームの開発環境は幾つかありますが、Microsoftのモバイル戦略としてVisual Studioに標準で搭載される機能ということになり、その点では特異な存在です。

Microsoftのモバイル戦略として想像されるのはWindows Phoneの普及が第一で、アプリ開発などはMicrosoft製品内で完結するもの、Microsoftストアの購入を促進することが優先されるものと考えていました。

開発者とユーザーはまた別の話になりますので、Windows Phoneについてはシェアの拡大を別途目指しています。

ただユーザーの囲い込みでなく、開発者の囲い込みをまず行うという発想は従来までのMicrosoftのイメージからは随分変わったなと思います。

C#でのモバイル開発の蓄積はまだまだこれからですが、規模を大きくしなければ実績は積み上がりません。

マルチプラットフォーム開発、と言っても100%のコード流用ができるわけでなく、それぞれ独自の製品機能については独自の実装をしなければいけません。

そう表現すると、マルチプラットフォームの意義とは何か、ということになりますが、そのコードはまたWindows PhoneやWindowsタブレットなどMicrosoftのうちだすデバイスでも再利用が可能ということになります。

なるだけ多くのデバイスで動作し、開発しやすい環境であれば、他のマルチプラットフォーム開発ツールからシェアを奪うことも可能です。

多くのマルチプラットフォーム開発がjavascriptなどを利用しているのに対し、エンタープライズ開発で実績のあるC#で作成できることは重要です。

モバイル向けアプリはエンタープライズ用途での利用が要になっています。

企業向けアプリはアプリストアには並びませんが、大規模な導入や、より大きなシステム、クラウドや企業の基幹系などにも組み込むことでパフォーマンスを発揮することができます。

広告や、ユーザー単位の課金など細かいものではなく、システム一式の受託の形をとれますので、開発工数に対して利益を見込みやすく、また大手企業も導入に積極的です。

潮流を読み、業界を牽引するスピード感と実行力がMicrosoftに感じられます。

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