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OS X Mavericksの二つの顔

2013年6月11日 12:52 | パソコン関連 | | 841 views
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OSXMavericks

WWDC2013でOS X Mavericksが初披露されました。

iOS7と同じく、MacのOSにも、新しい見た目、新しいユーザー体験が強化され、ユーザーにより使いやすい、デスクトップOSとして作りこまれています。

このOS X Mavericksのベースとなる部分で、二つの進化が見ることができます。

一つは徹底した省電力、もう一つはハイパワーです。

これは今後のMacのラインナップにもかかわりのあることです。

この二つの進化について考えてみたいと思います。

徹底した省電力性能

プロセッサの機能を徹底活用するOS X

Mac OSが動作するのはAppleが作ったコンピュータのみです。機器の構成等は限定され、あまりにも世代の古い機器の上では、最新のOS Xが動作しないようにコントロールしています。

それによって、プロセッサや、構成機器の新しい機能をあまり制限されずに使うことができるのが、Windowsパソコンとの差となります。Windowsパソコンが最新の機器構成だけでしか動かないと、多くのユーザーが困るので、マイクロソフトも許容範囲を広げている状態です。

MacのプロセッサがIntel製品になったのは、初代Coreシリーズからとなります。

Coreシリーズ以降はその直前の製品群Pentium4シリーズのプロセッサが、電力の効率が悪かったことを改め、省電力で高パフォーマンスを目指す方向性になっています。

プロセッサにはCステートと呼ばれる省電力状態が用意されていて、、コンピュータの処理内容、負荷によって、状態を変動させることが可能になっています。

Cステートはかなり細かく設定され、瞬間瞬間の操作されないタイミングなどでも変更して、極力電力消費を抑える仕組みが作られています。

OS X Mavericksの省電力機能

Timer Coalescingはさらにコンピュータの動作内容を細かく分割し、そのタイミング内でCPUの消費電力を調節します。

現在のOS Xもプロセスモニタを常時表示していると、操作しているときと、していない時のCPU使用率は顕著な差がありますが、これをさらに細分化して消費電力を抑えるというものになるようです。

またCore iシリーズは4つ以上のコアを持つものも多くあり、バックグラウンドのアプリや、プロセスを各コアに割り当てて、連続的にプロセッサを使用し続けるのではなく、まとめて並列的に処理を行って、処理後に休止させるというプロセスのコントロールも行われるようです。

Snow Leopard以降にOS XはマルチコアCPUの使用について多くのノウハウを蓄積しているようで、重い処理は複数のコアやグラフィックプロセッサに分担して高速で処理する仕組みを作り上げています。

Timer Coalescingはこのプロセス制御を省電力方向に割り当てたものでしょう。

またアクティブではないアプリケーションを休止させるApp Nap(アプリの昼寝)はiOSからの逆輸入のような機能です。

Safariのアクティブでないタブのアニメーションなどを休止させるSafari Power SaverもFLASHのようなコントロールしにくいプラグインを排して、HTML5やCSSアニメーションなどを推し進めたからこそコントロールできたものでしょう。

このようにMacの消費電力を低下させることは、MacBook AirやMacBook Proなどのモバイル製品のバッテリ持続時間を延ばすためのものであり、またデスクトップ製品の熱の設計などにも影響を与えるものです。

高速さを求められるところではハイパワーに

MacProNew

今回大幅なモデルチェンジで再登場することになったMac Proは、まさにハイエンドワークステーションと呼んで差支えのない高性能なコンピュータです。

その円筒形の筐体の中には、正三角形の形に配置されたロジックボードとグラフィックカード2枚があり、三角形の中には放熱用のフィン、筐体上部には大型のファンが備え付けられていて、そのコンパクトな筐体の中の熱を上部に排出します。

このMac Proに求められるのは、穏やかな省電力機能ではなく、パフォーマンスを余すことなく使い切るパワフルな処理能力です。

内蔵SSDや、外部接続端子も高速なものを用意し、ハイエンドグラフィックチップ二基と、最大12コア24スレッドのプロセッサの能力のボトルネックになる部分は見当たりません。

4Kといわれる次世代のハイビジョンや、高速な3Dグラフィック処理、高度な科学計算など、さまざまな分野での利用が期待されます。

グラフィックプロセッサを高速な計算に利用するOpenCLもOSそのものと統合しており、OS Xでの開発を行う際は、このグラフィックプロセッサのパフォーマンスを最大限生かすことのできる体制は整っています。

かつてPowerMacG5やMac Proを接続し、安価な並列処理コンピュータとして活用されている時代がありましたが、このMac Proはその時代の再来を思わせるすごみがあります。

あくまで姿みせということで、詳細については明らかになっていませんが、年末に予告されているリリースに向けて、じょじょに明らかになっていくことでしょう。

このハイパワーなMacを活用するための改良がOS X Mavelicksに組み込まれることはまず間違いありません。

OS Xのこれからの形

あくまでデスクトップのコンピュータ、ノートブックのコンピュータとしてこだわって設計され、キーボードとタッチパッドに最適化された様々な機能が追加されました。

一時期はiOSと統合されるのでは、あるいはiOSが主力商品となって、Macの製品ラインナップは冷遇されていくのでは、と予測されていたこともありましたが、着実に、最適な操作性と、処理能力、可用性を備えたコンピュータとして進化していっています。

iOSの製品群と、Macの製品群はうまく棲み分けができているように感じます。

それはiPad、iPhoneを順調に成長させているAppleならではの余裕と言えるものではないでしょうか。

iOSが急成長していた時期は、WWDCといえばiOSやiPhoneの発表会という様相を呈していましたが、今回バランスよく、iOS、OS Xのソフトウェア製品の発表と、その開発者の会議となり、AppleはやはりMacとiOSの二本柱で進めていくというこれからの形を、強く感じさせるものとなりました。