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ウルトラブックってなんですか

2013年5月21日 11:25 | パソコン関連 | | 372 views
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ウルトラブック(UltraBook)はCMでよく耳にする言葉ですが、いったい普通のノートパソコンとどう違うのか、ということはCMだけではわかりにくいものがあります。今回それを簡単に解説してみます。

ウルトラブックとは

ウルトラブックとは、Intelが提唱する新しいノートパソコンの形で、軽くて薄くて持ち運びが簡単、バッテリの持続時間がかなり長く、最新のCore iシリーズを搭載したノート型パソコンです。

ほとんどの場合、13インチ以下のディスプレイを採用しておりさまざまなビジネスバッグに入りやすく、電源オフををせずに、閉じた状態からの復帰も数秒で可能、閉じた状態ではほとんど電力を消費しないなど、可用性を重視しています。

さらに、プロセッサはIntelの最新の主力製品を利用していますので、オフィスをはじめとする日常的な用途には全くストレスを感じることがないでしょう。すこし購入資金を追加すれば、SSD(フラッシュメモリー型ディスク)搭載でハードディスク搭載モデルを超えた高速さを手に入れることができます。

価格的には10万円~15万円ほどで、再安価なノートパソコンに比べると、すこしお値段は張りますが、性能から考えると高価すぎるということはありません。

いまなぜこのウルトラブックをIntel社はプッシュしているのでしょうか。

ウルトラブックまでの道筋

ネットブック時代

ネットブックは省電力なプロセッサを搭載した、かなり小型かつ安価なノート型パソコンで、7インチ程度のディスプレイを備え、Windowsが動作するもの、と考えていただければわかりやすいです。

価格帯としては5万円ぐらいのものが多かった印象です。

台湾ASUSが2007年に発表したEeePC(イーピーシー)がネットブックブームの始まりでした。

EeePCはそもそもパソコン普及率の低い新興国向けに作られたパソコンでしたが、その安さ、携帯性の良さから、ビジネスなどにも取り入れられ、ほとんど荷物にならないことで、かなりの人気を集めました。

国内各社もこのネットブックをさまざまに発売し、当時ノート型パソコンの販売シェアのなかでも大きな比率を持っていました。

購入するまでは、もうウェブブラウザ、電子メール、Officeなどの日常的で持ち運ぶような用途は、すべてこのネットブックでまかなえてしまうのではないか、と考えた人も多かったのです。

しかし問題がありました。PC本体が小さく、軽い分、バッテリを多く搭載できなかったので、多くのネットブックは省電力性を重視したAtomプロセッサを搭載しました。

Intel Atomプロセッサはかなりの省電力ながら、その他Intelのプロセッサと同じWindowsやアプリケーションが動作しますので、それまで使っていたパソコンのソフトがそのまま使えるのがメリットでした。

しかし省電力のために処理速度を犠牲にしていましたので、Officeなどを使用する際にもストレスを感じるような機種が多くありました。

またディスク容量、グラフィック性能を落としたモデルが多かったので、当時販売終息しかけていたWindowsXPを搭載したものもありましたが、2001年にリリースされたWindowsXPは電源などの管理が細かくできなかったため、結局のところその省電力性を活かしきることができなかったのがストレスの一因でもあります。

そのため、多くの人がこのネットブックに不満を持つようになりました。

MacBook Airの登場

Appleが超薄型で、11インチからの小型ディスプレイを備えているMacBook Airを発表したのが2010年でした。

価格的にはほぼ9万円からとネットブックから比べれば、倍近い価格でありながら、ネットブックとは操作感覚に格段の差がありました。

全ての機種でSSDを採用し、起動は高速、プロセッサも廉価版ではなく、省電力版の主力製品を投入しています。

電源管理も最新で、スリープからの復帰は早く、ノートパソコンを閉じておけば、30日間はバッテリ容量が保持されました。

筐体もアルミ削り出しで、ネットブックなどのプラスチック筐体に比べて高級感があり、BootCampを用いればWindowsも動作しましたので、Apple製品でありながら、Windowsパソコンとして利用されることも多かった印象です。

AppleはAtomやCeleronなどの低価格ラインナップを利用しない方針ですが、主力製品のプロセッサを投入している同クラス製品としては、割高ということはあまりありません。

このネットブックとは全く逆といっていい方針で開発されたMacBook Airは世界中で大ヒットし、ネットブックの市場はほぼ消えてしまいました。

筆者はネットブックへの失望というステップがなければ、ここまでのヒットにならなかったのではないか、と考えています

ウルトラブックの登場

MacBook AirはCore2Duoの省電力機能を最大限活かすためにMac OS Xを最適化していました。これはソフトハードを同時に供給できるAppleの強みの一つです。

その後発売された第2世代Core iシリーズ以降では、処理能力を向上させつつ、省電力性を重視して開発され、これを用いたウルトラブックというカテゴリを作り、PCメーカと協調して売り出すことにしました。

WindwosVista以降では、スリープなどの電源の管理が上手にできる仕組みを持っていますので、Windows7と第2世代Core iシリーズを組み合わせたウルトラブックを主力なノート型パソコン製品に押し出し始めました。

WindowsXP+Atomというネットブックからの軽量ノートPCの悪いイメージを払う意味合いもあり、Intel搭載製品のブランドイメージアップも戦略の一つと思われます。

第3世代Core iシリーズではUSB3.0が搭載され、USB接続ハードディスクなどとの接続スピードも向上しました。

来月以降に控えている第4世代Core iシリーズでは更なる消費電力の低下と、グラフィックス性能の向上が予告されています。

ウルトラブックの課題

ウルトラブックの課題としては、現在台頭しているタブレットとの競合です。

そもそもキーボードを持たないタブレット型コンピュータに比べれば、従来通りの利用法ができるウルトラブックのほうがはるかに有利な点がいくつもあります。

パフォーマンスなども桁違いであり、タブレット型コンピュータでフルスペックのOfficeソフトが利用できる製品はわずかです。

しかしタブレット型は新奇性だけではなく、一般的な利用者にとって最小限度の機能に抑えている分、3~5万円ぐらいがボリュームゾーンとなっており、タブレット購入者はウルトラブックがオーバースペックと感じる人がほとんどです。

全体的なパイとしてはタブレットを求めている方の方が多いなかで、ウルトラブックが存在感を示していくためには、まだまだアピールできる部分もあるのではと考えています。

これからはWindows8搭載によるタッチスクリーン、高解像度化と、ウルトラブックにも変化が訪れると考えられますが、それがタブレットの競合相手としてのウルトラブックに本当に必要なものか、という点を考えてみなければいけないと感じます。

高性能なパーツを用いて、利益率の高いハードを作りたいメーカーの気持ちも理解できますが、コストパフォーマンスという点で魅力がなくなってしまうと、ウルトラブックの価値は下がってしまうかもしれません。

今後の製品ラインナップの移り変わりを見ていきたいと思います。